Gastronomy Journey|Day 2
“美味しい”をめぐる今回の旅。目指すのは、世界の「今」を映す一皿たち。
パリ、バルセロナ、台北——その土地でしか味わえない記憶を拾い集める、ガストロノミージャーニー。
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2日目はまだ空の上からスタート。
サンリオ仕様のEVA AIRで、寝て起きたらパリ目前。
最初の機内食は沙茶ソースの豚肉炒めと白ごはん。
やさしい味かと思いきや、しっかり旨みのある濃いめ仕立てで、ごはんが進むタイプ。
紙コップやトレイもすべてサンリオで統一されていて、機内とは思えない可愛さ。
朝からちょっとした“楽しい”が詰まったフライト。
そして到着前、2度目の機内食は朝食メニュー。
「魚と卵入りのお粥(Savoury Porridge with Fish and Egg)」を選択。
白身魚と炒り卵、野菜がとろりと溶け合う、まさに“やさしい”の塊のような一皿。
深夜の長時間フライト明けにちょうど良く、ほっとする味わいでした。
フルーツ、蒸し野菜、パンとともに提供され、全体的に軽めの構成。
胃に負担をかけず、あと少しの空の旅をゆったり過ごすのにぴったり。
もうすぐパリ。
眠気と高揚感が混じるなか、旅の本編がいよいよ始まります。
シャルル・ド・ゴール空港に到着
入国審査を終え、スーツケースをピックアップ。
少し緊張しつつも、空港内はどこか整然としていてスムーズに進めた印象。
到着ロビーでは、迎えに来ていた人たちの姿や手書きの名前ボードがずらり。
「パリに来たんだ」という実感がじわじわと湧いてくる瞬間でした。
そのまま両替カウンターでユーロを換金。
そして、タクシー乗り場へ。
空港のガラス越しに見えるパリの街並みに、つい胸が高鳴る。
長旅の疲れをほんの少しだけ感じながらも、いよいよここから本格的な旅が始まります。
空港を出て、事前に決まっていた定額料金でタクシーに乗り込む。
迎えてくれたのは、アジア系の優しそうなドライバーさん。道中も丁寧な運転で、こまめにエアコンの温度を気遣ってくれたり、渋滞に差し掛かると「あと10分くらいで着きますよ」と声をかけてくれたりと、終始穏やかで安心できる時間に。
高速道路を走り出すと、すぐに目に飛び込んできたのは「スタッド・ド・フランス」。サッカー好きにはたまらない景色。車窓からその巨大なスタジアムを見上げるだけで、旅気分が一気に高まる。
途中の壁には、カラフルなグラフィティがずらりと並び、パリらしいストリートカルチャーの香りも。都市の空気を感じるには、こういう車窓の風景こそがリアルで楽しい。
市内に近づくと、街並みに変化が。遠くにエッフェル塔の頭がちらりと見えて、思わず小さく歓声が漏れる。
そして、渋滞の先に凛と構える凱旋門。
車がゆっくりと進みながら、その壮麗な姿が少しずつ近づいてくる様子に実感が湧いてきた。
空港からホテルまでの道のりさえも、パリらしさに溢れた心に残るドライブだった。
Le Méridien Etoile にチェックイン
ホテルに到着したのは午前中。
この日泊まるのは、凱旋門からもほど近い「Le Méridien Etoile(ル・メリディアン・エトワール)」。外観はモダンで洗練されていて、ビジネスユースと観光どちらにもマッチしそうな印象。
ロビーは広々としていて、ゴールドのフレームと光沢感のある床が印象的。旅の疲れも少し緩む、落ち着いた空間でした。
チェックインを済ませた後は、すぐにロビー奥のカフェスペースへ。
この日は朝の冷え込みもあり、まずはアイスアメリカーノでひと息。透き通るグラスに注がれたドリンクは、気分を切り替えるのにぴったりの1杯。
ゆったりとしたソファ席で、ようやく荷を下ろしたような気持ちになりました。
ここから始まるパリ滞在の拠点として、申し分ないスタート。
「Le Méridien Etoile(ル・メリディアン・エトワール)」の詳細についてはこちらをチェック
世界レストランランキング11位の「SEPTIME(セプティム)」へ
ロビーで少し休憩したあとは、部屋に荷物を置いてすぐに外出。
この日のランチは、事前に予約していたレストラン「SEPTIME(セプティム)」へ。
11区、シャロンヌ通りにある一軒家のような佇まいのモダンビストロで、パリの美食好きなら誰もが名前を挙げる名店のひとつ。
ホテルからはUberで移動。パリの街並みを車窓から眺めながらの移動は、それだけで小さな観光気分。
SEPTIMEのシックな濃紺の外観が見えてくると、気持ちも自然と高まってくる。
この空間でどんな料理に出会えるのか——期待が膨らみます。
SEPTIMEの詳細についてはこちらの記事をチェック
SEPTIMEでのランチを終える頃には、すっかり満たされた気持ちに。
シンプルながら研ぎ澄まされた料理の数々は、パリ初日を飾るにふさわしい内容でした。
心地よい余韻に浸りつつ、午後の予定へと向かうため、今度はメトロで移動。
最寄りのLedru-Rollin駅から8番線に乗り込み、パリの地下へと滑り込む。
アールデコ調の白いタイルに囲まれた駅構内、青緑のラインが印象的な車両。
観光客も地元の人も自然に混ざり合うこの空間こそ、まさに“パリの日常”。
目的地のOpéra駅は、荘厳な街並みが目の前に広がり、地上に出た瞬間に広がる景色に思わず息をのむ。
交差点の向こうに並ぶクラシックな建物、石畳の街並み、そして立ち並ぶ人々の姿まで——映画のワンシーンのよう。
ヴァンドーム広場でプチ観光
Opéra駅から歩いて向かったのは、パリを代表する格式ある広場、ヴァンドーム広場(Place Vendôme)。
広場の中心にそびえるのは、ナポレオンの凱旋を記念して建てられた円柱。その存在感は圧倒的で、近くで見上げるとそのスケールに息を呑むほど。
周囲には、BOUCHERON、Louis Vuitton、Chaumet(ショーメ)など、時代を超えて愛され続けるブランドが静かに佇んでおり、それぞれのウィンドウにはまばゆいばかりのジュエリーが並びます。
中でも、Chaumetはナポレオンと皇后ジョゼフィーヌの愛の物語を背景に持つジュエラー。
実は、ふたりの結婚指輪を選んだのは日本のショーメ。けれど、こうしてパリ本店を訪れると、ブランドのルーツや歴史を肌で感じられるようで、指輪への愛着がさらに深まる時間に。
広場の中央に立つナポレオンの円柱を背景に、指輪をつけた手を重ねて記念の一枚。
その写真は、これから先もきっと思い出の象徴として残っていくと思います。
クラシックなファサードに、上品な白のオーニング。ヴァンドーム本店の前に立つと、ブランドとしての美学や誇りがしっかりと息づいていることが感じられました。
ただの買い物ではなく、「このブランドを選んだ理由」と「この場所に立った記憶」が重なることで、指輪はより大切な存在になる。
パリの街が、ふたりにとってさらに特別な場所になりました。
観光名所としてだけでなく、“人生の節目にふさわしい場所”として多くの人に選ばれる理由が、訪れてみてよくわかる。
パリの中でも、とびきりエレガントなひとときでした。
ヴァンドーム広場からのんびりと街を歩きながら、次に目指すのはルーヴル美術館。
その途中でふと壁を見上げると、なにやら見覚えのあるモザイクアートが。青いキャラクターに、ブリティッシュモチーフのユニークなピクセルアート——
そう、これこそグラフィックアーティスト「Invader(インベーダー)」の作品。
彼はパリを拠点に、世界中の都市にこっそりと自作のモザイクアートを設置していることで知られており、ここパリにも多数点在しています。
面白いのは、ただ見つけて楽しむだけではなく、「FlashInvaders」という専用アプリを使って作品を“発見・収集”できる仕組みがあること。
見つけたアートにスマホをかざすと、まるでポケモンをゲットするようにその場所が記録されていき、街全体が参加型の美術館のよう。
歴史的建造物が並ぶパリの街並みに、こうした現代アートが自然に溶け込んでいるのも、この街の魅力のひとつ。
アートの宝庫・ルーヴル美術館に向かう前に、思いがけず“路上の美術館”を楽しむことができました。
初めてのルーヴル美術館へ
ヴァンドーム広場からパリの街を少し歩き、たどり着いたのはルーヴル美術館のカルーゼル凱旋門。
ナポレオンの命によって建てられたこの門は、壮麗なルーヴルの建物に囲まれながらも、独自の美しさと存在感を放っています。
ここが、今回事前に予約していた「GetYourGuide(ゲットユアガイド)」のガイドツアーの集合場所。
現地スタッフと合流し、ツアー用のレシーバー機器(VOX)を受け取ります。
このVOX、イヤホンを通してガイドさんの声がはっきりと届く優れもの。
周囲の喧騒に紛れることなく、館内でも安心して解説を楽しめるのがポイントです。
さあ、いよいよルーヴルの中へ。
古代から近代まで、世界中の至宝が眠る空間へと足を踏み入れます。
ガラスのピラミッドをくぐり、セキュリティチェックを通過して地下エントランスに降り立つと、広がるのは開放感ある吹き抜けの空間。
中央に鎮座するのは、逆さピラミッド(ピラミッド・アンヴェルセ)。
上から差し込む自然光がガラスの面を伝って、静かに床へと落ちていく。周囲の喧騒とは対照的に、どこか神聖な静けさを感じさせる場所です。
入口の列を進みながら、ふと見上げると、幾何学模様のガラス屋根越しに歴史的なルーヴルの建物が顔をのぞかせ、現代と過去が交差する不思議な瞬間。
館内は想像以上に広く、複数のウィングに分かれているので、ツアーでの見学は効率的かつ安心。
この日はガイドさんの指示に従い、VOXのレシーバーで解説を聞きながら、人気の展示ルートを巡ります。
荷物はロッカーに預けられるので、身軽に見学できるのも嬉しいポイント。
いよいよ、世界中の名作が待つ展示エリアへと足を進めます。
エントランスでセキュリティを通過しいざルーヴル美術館の内部へ。
最初に向かったのは古代エジプトのエリア。圧巻だったのが、ルーヴルを代表する展示のひとつ「スフィンクス像」。荘厳な雰囲気を漂わせながら、来館者を静かに見つめる姿に思わず足が止まります。
続いて、古代ギリシャ・ローマ彫刻が並ぶギャラリーへ。
皇帝たちの胸像が整然と並ぶ一角では、顔立ちや髪型、石材の違いから時代背景を感じ取ることができます。
そしてこの日のハイライトのひとつ、「ミロのヴィーナス」との対面。
なめらかな曲線、欠けた両腕がかえって想像力をかき立て、女性像としての理想がここに表れているかのよう。
彫刻の間を歩きながら、ギリシャ神話に登場するアテナ像やアフロディーテ像にも出会いました。
それぞれのポーズや装飾から神話の世界観が垣間見え、石でできているとは思えないほど生命力が宿っているよう。
人が多くとも、不思議とその一体一体としっかり向き合いたくなる。
時を超えて今に残る名作たちが、観る人の想像力をそっと刺激してくれる場所でした。
ルーヴルのもうひとつの見どころは、展示物だけでなく空間そのもの。特に絢爛な天井装飾のある部屋は息を呑む美しさだった。
楕円の金の縁取りに描かれた神話的な場面。人々が空を舞い、豊かな表情と動きで語られる壮大なストーリー。隣の部屋ではギリシャ神話と思しき物語が描かれ、黄金と漆喰で装飾された天井が、まるで宮殿にいるかのような錯覚を与える。ふと足を止めて天井を仰ぎ見れば、しばし時間を忘れてしまう。
彫刻エリアを抜け、いよいよ絵画エリアへ。
私たちを案内してくれたのは、ロースクールに通うという若きガイド。知性とユーモアを併せ持ったナイスガイで、法学の視点からも美術を語る彼の話は新鮮で興味深く、自然と引き込まれました。
ルーヴルの絵画エリアは、その圧倒的な規模と名画の宝庫ぶりに息を呑みます。天井高く続くギャラリーの先に、幾層にも重ねられた時間と感情が感じられ、歩を進めるたびにまるで歴史のなかに迷い込んでいくよう。
まず立ち止まったのは、レオナルド・ダ・ヴィンチの《岩窟の聖母》。静謐で幻想的な構図、登場人物たちの表情や手の動きが生み出す物語性に、ガイドの解説が重なることで、絵がさらに深く心に届きます。ダ・ヴィンチ特有のスフマート技法が描く空気感は、ただ美しいだけでなく、神秘性と知的な緊張感を感じさせました。
また、通路を進むなかで見上げる天井画や額縁の重厚な装飾も、まるで絵画そのもののような存在感。建築空間までもが作品の一部として機能しているようで、視界のすべてがアートで満たされている感覚に包まれます。
美術史だけでなく、法律や哲学の観点からも作品を見つめるガイドの話は、まるで美術館を飛び越え、ひとつの学びの旅へと連れていってくれるようでした。作品の背後にある政治、信仰、時代の力学が浮かび上がり、「見る」から「理解する」へと鑑賞体験が変わっていくのを感じます。
広い広い館内を進むと、まずは「カナの婚礼」。ヴェロネーゼによるこの巨大な絵画は、モナリザと向かい合うように配置されており、その迫力たるや圧巻。人々が飲み交わす祝宴の喧騒までもが画面から聞こえてきそうな、生き生きとした筆致に引き込まれます。
そして、いよいよ「モナリザ」へ。やはりその周囲は大混雑。背伸びしてようやく目にした彼女の微笑みは、やはり特別なオーラを放っていました。
人混みにもまれながらも、その存在感の前ではただただ静かに立ち尽くすばかり。
このエリアではその他にも、ダ・ヴィンチの「岩窟の聖母」やラファエロの作品など、名画の連続。館内を歩きながら何度も「本当に今、ここにいるんだ」と実感しました。
「モナ・リザ」を見終えたところで、今回のガイドツアーも終了。
気づけばあっという間の約2時間。広大なルーヴル美術館を、無駄なく、でも駆け足になりすぎずにまわれたのは、ガイドさんのおかげでした。
出口の横からふと見えた、立ち入り禁止のバルコニー。そこに並ぶ像たちは、まるで館内を見守るように静かに佇んでいて、最後の最後までルーヴルの持つ威厳と美しさを感じさせてくれました。
今回利用したのは「GetYourGuide」のガイド付きツアー。チケット予約から現地での集合、イヤホンでの音声案内までスムーズで、特に初めて訪れる人にはとてもおすすめ。ガイドさんのテンポよい説明と小ネタも効いていて、ただ見るだけでは味わえない「物語」を体験できるツアーでした。
ガラスのピラミッド越しに見える重厚な宮殿の建築を眺めながら、
「来られて本当によかった」としみじみ。
初めてのパリ、初めてのルーヴル。記憶に残る、大満足のひとときでした。
センス抜群のお花屋さんでブーケを購入
ルーヴル美術館を後にし、ディナーまで少し時間があったので近くでお花屋さんを検索。
翌日に使う予定の花束を探しに、街歩きがてら向かってみることに。
辿り着いたのは、パリらしいセンスがぎゅっと詰まったローカルフラワーショップ。
店頭にはボリュームのあるラナンキュラスや、アンティークカラーのローズ、アーティスティックに組まれたブーケたちがずらり。
どこを見ても絵になるようなディスプレイで、ついつい長居してしまいそうになる空間でした。
色合わせや花材の選び方も絶妙で、まさに“フレンチスタイル”なお店。
夜の灯りとともにお花がより一層引き立ち、歩く人々の足を止めていました。
翌日に控えた大切な予定のための花束も無事に購入できて、大満足の寄り道に。
念願のレストラン「KEI」で特別な夜を
ルーヴルの余韻と、街角で手に入れた花束の香りをまといながら、向かったのはレストラン「KEI」。
ミシュラン三つ星、そして映画『グランメゾン・パリ』の料理監修を務めた小林圭シェフによるレストラン。
控えめな外観の扉を開けると、そこはパリの中心に佇む別世界。
メタリックでモダンな意匠が施された入り口からも、これからの時間への高揚感がじわりと湧き上がる。
静かな通りに面した美しい建物の一角、凛とした佇まい。
旅のハイライトになるであろうディナーが、ここから始まります。
▶Restaurant KEI(レストラン ケイ)の詳細はこちら
KEIでの忘れがたいディナーの余韻を胸に、タクシーでホテルへ戻る。
しっとりとした夜のパリ、車窓越しに流れる石畳の街並みが美しく、どこを切り取っても絵になる景色ばかり。
行きたかった場所に行き、見たかったものを見て、味わいたかった料理を楽しんだ一日。
パリ初日、完璧でした。
明日もきっと、素敵な出会いが待っている予感。
Gastronomy Journey|Day 3
パリ2日目スタート、パン屋で朝食調達
パリ2日目。前日のディナーでは時差ボケもあって後半は少しウトウト。
この日はパリ滞在の最終日、そして旅のメインイベント——ウェディングフォトの撮影日。
朝早くからメイクさんがホテルの部屋に来て、妻の支度が始まる。
私はその間に朝食を買いに、まだ眠気の残る街へ。
向かったのはホテル近くのブーランジュリー。
焼きたてのガレットやチーズ入りのパン、バターの香りが広がるクロワッサンなど、
どれも外さないセレクション。
見た目の美しさと、パリらしい空気感をまとったラインナップに、朝からテンションが上がる。
一つひとつのパンに、旅の高揚感が重なる時間。
この何気ない朝の時間すらも、特別な思い出になっていく。
パリ最終日はウェディング撮影
メイク完了、いよいよ撮影へ
部屋には真っ白なウェディングドレスが静かに吊るされ、
柔らかな光に包まれてその存在感を放っている。
メイクが仕上がり、ドレスに着替えた妻と、
カメラマン・スタッフ陣とともにホテルの廊下を歩く。
普段は何気なく通る空間も、この瞬間だけは映画のワンシーンのよう。
外に出ると、少し雨が降ったあとのパリの街。
しっとり濡れた石畳に光が反射して美しい。
用意されていたのは黒のベンツのバン。
ドレスを大切に抱えるようにして乗り込み、
パリ市内の撮影ロケーションへと向かう。
特別な一日の始まり。
少し緊張しながらも、ワクワクが勝る時間。
パリの街がくれた祝福の時間
Uberに乗り込んで最初に向かったのは、
言わずと知れたパリの象徴、エッフェル塔。
この日はあいにくの雨模様。けれどその分、
街の石畳や鉄の塔がしっとりと輝き、しんとした空気に包まれていた。
ドラマ『グランメゾン東京』の第1話にも登場したこの場所で、
撮影が始まると、通りすがりの車からクラクションが鳴る。
何かと思えば、窓を開けて手を振り、祝福してくれる人たち。
しかも、1回ではなく何度も何度も。
Uberの運転手も笑顔で「おめでとう」と声をかけてくれて、
そんな小さな優しさが心に沁みた。
その後は、パレ・ロワイヤルへ。
石柱の並ぶ中庭、クラシックな回廊を背景に、
少し照れくさそうに、でもしっかりとカメラを見つめる。
カフェでは暖かな空気の中で自然な表情を、
最後に訪れた凱旋門では、またたくさんの「おめでとう」の声が飛び交う。
知らない誰かが、まるで自分のことのように喜んでくれる。
そんなパリの街の空気に、私たちの特別な一日はさらに特別なものになった。
凱旋門をバックにしたウェディングフォトの最中、まさかのアクシデント。
なんと靴底がパカっと…見事に壊れました。
とはいえ、幸いにも撮影の終盤だったこともあり、なんとか笑い話に変えて無事コンプリート!
このトラブルも、きっと忘れられない思い出のひとつです。
シャンゼリゼ通りで撮影終了
撮影ラストはシャンゼリゼ通りへ
ウェディングフォト撮影の最後は、
パリらしい雰囲気たっぷりのシャンゼリゼ通りで。
ちょうどルイ・ヴィトンのホテルが建設中で、
その工事現場を囲う目隠しがなんと“巨大なトランク型”。
遠くからでもインパクト抜群。
しかも細部までかなり精巧で、
「これ作るのにどれだけ時間かかるんだろう…」と思わず笑ってしまうほど。
街そのものがアートで広告。
そんなスケール感がさすがパリでした。
パリでのウェディングフォトは、ラヴィ・ファクトリー(LA-VIE FACTORY) のサービスを利用しました
カメラマンはパリ在住のSAORIさん(@s.a.o.r.i_photography)
終始リラックスした雰囲気の中で進行し、とても楽しい撮影時間に。
現地ならではの街並みと自然な表情を引き出してくれるスタイルが印象的でした。
一生の思い出に残る、素敵な時間でした。
ホテルを移動、Moxyへ
撮影を終えてホテルに戻り、ウェディングドレスから私服へと着替えてチェックアウト。
次のホテルへ向かうためにUberに乗り込んだところ、まさかのハプニングが待っていました。
目的地周辺ではちょうどデモが行われていて、道路が封鎖中。
それでもドライバーは「行けるところまで行こう」と果敢にチャレンジ。封鎖されたテープを自ら外して進入していく姿に思わず笑ってしまいました。
けれど、やはり最後は「ここまでだね」と途中で停車。スーツケースを引いて歩く羽目になったものの、それすらもパリらしくて、旅の思い出に。
予定通りいかないことすら愛おしく思える、不思議な魅力がこの街にはあります。
次の滞在先は、パリ市内にあるモクシー・ホテル。
コンパクトながら機能的でスタイリッシュな客室にチェックイン。
受付で「ハネムーンなんです」と伝えると、フロントにいたマネージャーらしきスタッフが「それはおめでたい!」と、その場でシャンパンをふるまってくれました。
まさかの乾杯スタートに、思わず笑顔に。
ここでもまたパリの温かさに触れられた出来事でした。
コンコルド広場へ街歩き
荷物をホテルに置いて向かったのは「コンコルド広場」。
雨は上がっていたけれど、空はまだどんよりとした曇り空。
中央にはルクソール神殿から贈られた金色の先端が印象的なオベリスク。
その背景にはうっすらエッフェル塔。
ぐるりと囲む噴水や彫刻、装飾の美しい街灯も見応えあり。
目の前にはシャンゼリゼ通りが伸び、奥に凱旋門が見える壮観なロケーション。
車の通りも多く、信号を待ちながらのスナップもまたパリらしい時間でした。
ル・ボン・マルシェでお土産探し
その後すぐに天気が急変して、まさかの大雨。
傘を持ってきていなかったので、しばしその場で雨宿り。
でも一向に止む気配がなかったので、予定変更。
メトロに乗って、お土産探しへ。
向かったのは、パリ左岸にある老舗デパート「ル・ボン・マルシェ」。
紅茶やショコラ、ジャムにバターなど、センスの良いパッケージに囲まれてテンションが上がる。
お土産選びも楽しい時間です。
BERNACHONで至福のチョコタイム
お土産をたっぷり買って大満足。
次は歩いて、チョコレート好きにはたまらない「ベルナション」へ。
リヨン発の名店で、パリ店も上品で美しい佇まい。
ウィンドウに飾られた巨大なイースターエッグも圧巻で、通りすがりの人々もつい足を止めて見入っていました。
雨上がりの石畳を歩きながら、お気に入りの一粒を選ぶひとときも、旅の楽しみのひとつです。
店内はシャンパンゴールドの装飾が印象的で、まるでジュエリーショップのような美しさ。
整然と並ぶショコラのひと粒ひと粒に、職人の誇りが感じられます。
この日は定番のボンボン・ショコラに加え、板チョコ「BERNACHOC」や、ヘーゼルナッツとチョコの絶妙なバランスが楽しめる人気のプラリネを購入。
贈り物にも自分へのご褒美にもぴったりの、甘くて贅沢な戦利品たちでした。
夜は人気のネオビストロ「Le Comptoir du Relais」へ
ディナーで訪れたのは、サンジェルマン・デ・プレにある人気ビストロ「Le Comptoir du Relais」。
ホテル「ル・ルレ・サン・ジェルマン」に併設された名店で、予約なしではなかなか入れないことも。
この日も店の前には人だかりができていたけど、ちょうど空いたタイミングで運よく店内の席へ。
黄色い壁に囲まれたクラシックな空間は温かみがあり、スタッフの軽快なやりとりや活気ある雰囲気が心地よい。
料理は定番の人気メニューを中心に。
ウフマヨに、シャルキュトリの盛り合わせ、そして熱々のオニオングラタンスープ。
お店の方に「結構量あるけど大丈夫?」と聞かれたけど、どうしても食べたくて全て注文。
結果、助言通りお腹ははちきれそうに…でもどれも外せない美味しさでした。
フランスの家庭的な味とビストロならではの温かさに、旅の疲れもほっと癒されるような時間。
ずっと来たかったお店に来られて、しかもこんなにパリらしい空気の中でディナーが楽しめて、最高の思い出に。
パリ最終日の夜。
たっぷり楽しんだつもりだったけど、帰り道ふと「ひとつやり残してたこと」が頭をよぎる。
時差ボケとウェディング撮影の疲れですっかり忘れてた…これは次回リベンジ。
翌日はバルセロナへ。
ホテルに戻って、荷造りをして静かに夜を締めくくる。
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