BISHOKU QUEST

旅先で出会った、心に残るひと皿を

『BISHOKU QUEST』は、日本各地の美食を求めて旅をするグルメブログです。
シェフのこだわりや地元食材の魅力、料理の背景にある物語を、写真と共に丁寧に綴ります。

SMAAK by Jacob Jan Boerma について

コンセプト

オランダが誇るミシュラン三つ星シェフ、ヤコブ・ヤン・ボエルマによるアジア初出店。
“酸味”と“旨味”の多層的な組み合わせを軸に、日本の伝統食文化や発酵技術、ヨーロッパやアジアの調理法を融合させた、クリエイティブで知的なモダンキュイジーヌを提供します。

食材へのアプローチは誠実で、香りや温度、質感までもが繊細に計算された一皿一皿。
スカンジナビアを思わせるシンプルで温もりある空間は、46階からベイエリアを一望できる開放感も相まって、心を静かに満たしてくれます。

素材、技術、構成——どこを取っても一流ながら、決して派手ではなく、静かに響く“味の記憶”を届けてくれる場所。
横浜に誕生した、新たなガストロノミーの拠点です。

ヤコブ・ヤン・ボエルマ シェフ

SMAAKのシェフは、ヤコブ・ヤン・ボエルマ(Jacob Jan Boerma)氏。

オランダの名店「De Leest」で長年ミシュラン三つ星を維持し続けた実力派であり、繊細な酸味使いと素材の旨味を多層的に引き出すスタイルが高く評価されています。

シェフは、スカンジナビアやスペインをはじめとしたヨーロッパ各国での経験を持ち、
そこにアジアの香辛料や発酵文化を柔軟に取り入れ、独自のガストロノミーを構築。

自身のルーツであるオランダ料理の精神を大切にしながら、
“ベストと思われるものを常に更新していく”ことを信条に、一皿一皿に探求の痕跡が刻まれています。

SMAAKは、そんな彼の哲学が体現された、アジア初のフラッグシップです。

SMAAK(スマーク)の料理長を務めるのは、オランダ出身のシェフ、ロブ・ノッレ(Rob Nolle)氏です。彼は、ミシュラン3つ星シェフであるヤコブ・ヤン・ボエルマ氏の信頼を受け、SMAAKのヘッドシェフとして任命されました。ヤコブ氏がプロデュースしたSMAAKの料理哲学とスタイルを継承し、日々のキッチンを率いています。

ダイニングプレリュード

外観・エントランス

SMAAKの外観・エントランスは、横浜北仲ノットの高層階、46階に位置する非日常の入口。

地上から直通エレベーターで上がるそのアプローチは、まるで空中のサンクチュアリへと誘われるような静かな高揚感をもたらします。

扉を抜けると、そこは木の温もりとガラス越しの横浜ベイビューが広がる洗練された空間。
開放感と静けさをあわせ持つ、特別な時間のはじまりを予感させるエントランスです。

ラグジュアリーでありながら構えすぎない、
北欧らしい静謐さと現代性が共存するたたずまいが、訪れる者を優しく迎えてくれます。

ダイニングスペース

SMAAKのダイニングスペースは、ベイエリアを一望する46階のパノラマビューと、北欧の静けさを感じさせる上質な空間。

内装はナチュラルな木材と柔らかなトーンで統一され、温かみのあるモダンデザイン。
昼は光がたっぷり差し込む開放的な雰囲気、夜は港の夜景を眼下に、静かで凛とした空気が漂います。

窓際の席は、目の前に広がる横浜の海と街並みがドラマのように映し出され、
料理とともに、移ろう景色もまたこのレストランの大切な一部。

華美な装飾ではなく、景色と料理を主役にした構成。
余白を大切にした空間が、味わいの記憶を深く刻みます。


メニュープレゼンテーション

ランチコースは3種の中から「Eindhoven(アイントホーヘン)」を選択。

構成は4皿。素材名だけが並ぶ静かな紙面に、料理の輪郭がそっと浮かび上がる。
派手な説明はないけれど、それがかえって、ひと皿ずつへの期待を高めてくれる。

料理の前に、まずは余白と向き合う。そんな始まり方でした。

スタータードリンク

コースの始まりに選んだのは、山梨・甲州市のワイナリー「98WINEs」が手がけるクラフトビール「98BEERs」。
その中でも瓶内二次発酵によって丁寧に仕上げられた「九八 SAISON」は、ワイン造りの哲学を継承した、造り手の美意識が詰まった1本です。

実際に味わった料理

燻製マカロン、スモークサーモン、きゅうり、ディル

はじまりは、燻製マカロンにスモークサーモンのムースときゅうり、海藻パウダーを重ねたひと口。

和牛タルタル、オリーブ、大根、蕎麦

もう一つは、宮崎県産和牛のタルタルをオリーブと大根、蕎麦粉のタルトにのせたフィンガーフード。香ばしさと塩気が絶妙。

キノコ、エシャロット、紫蘇、味噌

大葉の天ぷらの中には、マッシュルームとエシャロットのピューレ。紫蘇と白味噌の組み合わせが印象的。

提供されたパンは、フランス・パリ発のブーランジェリー「JEAN FRANÇOIS(ジャン・フランソワ)」のもの。
しっかりと焼き込まれたクラストと、ふんわり軽い内層。噛みしめるたびに穀物の香ばしさが広がります。

添えられたのは、まるでデザートのように美しい半球型の自家製ホイップバター。
グリーンのパウダーがほんのり香り、空気をたっぷり含んだ口当たりとともに、パンをやさしく包み込んでくれる。

ホタテ貝、パースニップ、海藻、バターミルク

続く冷たい前菜は、炙ったホタテにパースニップ、海藻、バターミルク。ディルのソースが爽やかに全体をまとめていた。

冷たい前菜のタイミングで選んだのは、カリフォルニアのナチュラルワイン「Soft Soil 2019」。

造り手は、モントレーを拠点とするStirm Wine Co.(スティルム・ワイン)。
気候や土壌の個性をそのまま表現することを信条とし、SO2の使用を最小限に抑えた自然なアプローチが特徴。

この「Soft Soil」は、名前の通り柔らかな土壌が育むブドウのしなやかさがそのままグラスに映し出されたような1本で、
冷前菜の繊細な酸味や温度感と、そっと呼応するように寄り添ってくれた。

地に根を張るように、静かで力強い赤でした。

茄子、マカダミアナッツ、バジル、ペコリーノチーズ

パスタは6層仕立てで、茄子、マカダミアナッツ、バジル、ペコリーノチーズなどを丁寧に重ねて。食感も香りも豊か。

蝦夷鹿ロース、赤キャベツ、りんご、パンデピス

メインは蝦夷鹿のロース。赤キャベツ、りんご、パンデビスと重ねられたスパイスの組み立てが素晴らしく、香りと酸味のバランスも秀逸。

サフラン、いちご、焼酎グラニテ

デザートは、サフランを効かせた苺に焼酎のグラニテ。ハーブやスパイスのニュアンスが心地よく、最後まで構成に隙がない。

まとめと感想

どの皿も共通して感じたのは、スパイスやハーブの効かせ方の巧みさと、味の重ね方のセンス。食材ひとつひとつの香りや質感を丁寧に引き出しながら、決して重たくならず、むしろ軽やかでリズムのあるコース構成に仕上がっていました。

また、横浜・みなとみらいの46階からの眺望も素晴らしく、東京タワーもスカイツリーも、羽田空港の離発着までもが一望できるロケーションは格別。目の前にはコスモワールドの観覧車。

料理、空間、サービスのすべてにおいてバランスが取れていて、特別な時間を過ごすには申し分ないレストラン。オランダで三つ星を獲得したシェフの世界観を、ここ横浜で静かに堪能できる、そんな一軒でした。

予約とアクセス情報

営業時間

ランチ:12:00~15:00(L.O.13:30)
ディナー:18:00~22:00(L.O.20:00)
定休日:月曜日(祝日の場合は営業)

予約方法

SMAAKでは以下の方法で予約が可能です:

公式サイト:https://smaak.jp/
TableCheck:https://www.tablecheck.com/ja/shops/smaak/reserve
一休レストラン:https://restaurant.ikyu.com/121200
食べログ:https://s.tabelog.com/kanagawa/A1401/A140104/14088267/
Pocket Concierge:https://www.pocket-concierge.jp/restaurants/245392
電話予約

アクセス情報

住所:神奈川県横浜市中区北仲通5-57-2 横浜北仲ノット 46F
最寄駅:みなとみらい線「馬車道駅」2A出口直結 徒歩1分
JR根岸線・横浜市営地下鉄ブルーライン「桜木町駅」 徒歩8分
アクセス詳細:「オークウッドスイーツ横浜」の直通エレベーターで46階へお上がりください。

MIZUMACHI
「知られざる美食の旅へ—心と五感で味わう特別なひとときを」

BISHOKU QUESTは、全国の厳選された美食スポットを巡るグルメ探求プロジェクトです。
地元の食材を活かした料理、シェフのこだわりが詰まった隠れ家的なレストラン、食を通じて地域の文化や歴史を体験できる場所を厳選してご紹介。
味わうだけでなく、その土地ならではの空気やストーリーを感じる特別な食の旅をご提案します。

食を愛するすべての人へ、新しい美食の発見と感動をお届けします。