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プロローグ|“美味しい”の、その先へ。
今回の旅のテーマは、「50 Best Gastronomic Journey」。
訪れるのは、世界の美食都市・パリ、バルセロナ、台北。
それぞれの都市で、いま最も注目を集めるレストランを巡り、土地の香り、食材の個性、シェフの哲学に触れていく。
最初の目的地は台湾。
深夜便でパリへ向かう前に、短い時間ながら桃園を歩き、台湾の風土を感じる予定だ。
味わうために旅をする。
その一皿が、旅の風景を変え、記憶を強くする。
これは、そんな“美味しい”の先にある、特別な体験を求める旅のはじまり。
一皿の記憶が、きっとこの旅を、忘れられないものにしてくれる。
Gastronomy Journey|Day 1
福岡 → 台北:旅の始まり
出発の朝。
まず目に入ったのは、福岡空港国際線ターミナルの中央に飾られた大きな飾り山笠。
リニューアルを控えたこの空港で、最後にこの風景を見られたことがなんとなく嬉しかった。
どこか背筋が伸びるような、旅の“儀式”のような気分。
手続きを済ませたのち、搭乗までの時間はゆっくりとラウンジで。
少し遅めの朝食を取りながら、まだ混み合う前の出国ロビーを眺めて過ごす。
旅行のスタートにしては少し落ち着きすぎているくらいの静かな時間。
フライト情報が並ぶ出発案内モニターには、「12:15 台北/桃園」の文字。
これから乗るのは、EVA Airの機体。
窓越しに見えるその白と緑の機体を確認すると、少しずつ気持ちが切り替わっていく。
短いフライトとはいえ、今日はこのあと台湾・桃園を少し観光してから、深夜便でパリへ。
移動の多い1日になりそうだけど、それすらも旅の高揚感を後押ししてくれる。
“世界の美食”を巡る旅が、いよいよ動き出す。
機内にて:旅のテーマが語りかけてくる
福岡から台北・桃園へ、空の旅は約2時間半。
シート前のモニターには、点線で描かれた飛行ルート。
見慣れた九州の地形がゆっくりと遠ざかり、台湾本島が徐々に近づいてくる。
短いフライトながら、この画面を見ると「旅が始まった」という実感がふっと湧いてくる。
旅のテーマは「美食」。
そのテーマにぴったりの映画を見ながら過ごす空の上の時間は、
まるでこの先の旅のプレリュードのようだった。
隣の席では眠る人もちらほら。
だけど、自分はまだ少しだけ、機内に流れる気配と気持ちの高ぶりに身をゆだねていた。
機内での音質を格段にアップ。Bluetoothトランスミッター「AirFly」
今回のフライトで、特に快適だったのがBluetoothトランスミッター「AirFly」の存在。
飛行機のモニターは有線イヤホン対応が基本だけれど、AirFlyを使えば手持ちのワイヤレスイヤホンで映画や音楽を楽しめる。
ペアリングも一瞬で完了。音も遅延なくクリアで、短時間のフライトでも没入感が格段に変わる。
特に今回のように、食をテーマにした作品を観るときは、
音の良さが集中力を保つ鍵。
旅のはじまりを心地よく過ごしたいなら、これはひとつ持っておくと間違いないガジェット。
旅に必携。AirFlyはこちらからチェックできます
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しっかりとした台湾風の機内食
EVA Airの機内食は、短距離便ながらしっかりとした内容。
ご飯の上には、煮込み牛肉、厚揚げ、煮玉子、そして黄色いたくあん。
添えられた副菜は炒めた野菜とさっぱり系のマリネサラダ。
小ぶりながら風味のあるパンも付いていて、コンパクトながら満足感のあるプレートだった。
そして、個人的に嬉しかったのがこの「決明子麦茶」。
ほんのりと香ばしく、甘すぎない味わいで、空の上の口の中をやさしく整えてくれる。
台湾らしさを感じさせるこの1本が、なんだか“もう台湾に来たんだな”という気持ちにさせてくれた。
まもなく到着、というアナウンスが流れる少し前。
モニターの地図上では、飛行機が福岡から台湾へ、ほぼ一直線に南下している軌跡が映し出されていた。
残りの距離はたった25キロ、着陸まであと5分。あっという間の空の旅。
台湾・桃園国際空港に到着!
タッチダウンから数分後、通路を抜けた先に現れたのは、
色鮮やかな「Welcome」の文字がずらりと並んだ壁面。
世界中の言語で綴られたこのメッセージが、旅人の心をふっと緩ませてくれる。
ようこそ、台北へ。
日本語、韓国語、フランス語、スペイン語…そのなかに自分の言葉があると、
遠くへ来たのに、どこか“受け入れてもらえた”ような感覚が生まれるのが不思議。
まずはネット環境を確保。HolaflyでeSIMをサクッと設定
空港に着いて最初にやることといえば、やっぱりネットの確保。
今回の旅では、現地SIMを買う代わりに、事前に手配しておいたHolaflyのeSIMを使用。
QRコードを読み込むだけで、SIMカードの入れ替えも不要。
自宅で事前にダウンロードし、サクッと設定を終えると、すぐに快適な4G回線に接続。
SMS認証もLINEもそのまま使えるし、ストレスゼロ。
しかもデータ無制限プランがあるのもHolaflyの強み。
長距離トランジットや複数国周遊の旅には、本当にありがたい存在。
台湾・桃園での弾丸観光・両替トラブル発生
荷物の整理をしながら、eSIMの設定を完了させたら、いよいよ外へ。
トランジットの合間とはいえ、少しでも台湾の空気に触れたくて、
まずは目的地へ出発──ここでちょっとした事件が待ってるとは知らずに。
まずは両替。
空港の両替所で台湾元を手にすると、
紙幣のデザインや感触が“これからの時間は台湾のもの”だと静かに語りかけてくる。
空気もどこか湿り気を帯びていて、日本とは違う国に来たことを五感で感じる。
「トランジットだし、そんなに使わないでしょ」と両替は少なめに。
キャッシュレスも進んでるし大丈夫だろうと高を括って、
目的地だった観光エリアへと軽やかに出発。
…が、ここから想定外の展開。
両替が少なかったせいで、現地で現金が必要になり右往左往。
このままじゃ、せっかくのトランジット時間をムダにしてしまう…。
そんな焦りのなかで、出した結論はUberで目的地まで往復すること。
正直、予定外の出費にはなったけど、
「時間を失うくらいなら、お金で解決した方がいい」──そう判断できたことで、
不思議と気持ちがスッと落ち着いた。
あれこれ悩んで動けなくなっていた自分に、ひと区切りをつけられた感覚。
“予定と違ったっていい。判断して前に進めた自分にOKを出せた”
そんなふうに思えたのが、この旅の最初のターニングポイントだった。
次からは、しっかり準備しよう。
そんなちょっとした失敗から始まった今回の旅、
これもまた思い出のひとつ。
桃園の隠れ家「友竹居茶藝館」で心ほどけるひととき
予定外の出費とバタバタな移動を経て、
ようやく辿り着いたのが、今回桃園でどうしても訪れたかったお茶処。
ここは、時間がゆっくりと流れているかのような、別世界のような空間。
入口の門構えからすでに雰囲気たっぷりで、
中へ入ると、池にかかる橋、木造の渡り廊下、ランタンの灯り、鯉が泳ぐ水面、そして滝の音。
まるで一篇の詩の中に入り込んだような気分になる。
畳敷きの個室席に腰を下ろすと、そこにもまた木のぬくもりと静けさ。
装飾や窓の格子ひとつひとつにまで、台湾の伝統と美意識が息づいている。
喧騒から離れて、ようやく深呼吸できたような感覚。
お茶を待つ間も、空間そのものが癒しになる。
店内には、茶葉や茶器はもちろん、果物やお土産が並ぶ一角もあり、
ただ「お茶を飲む」だけにとどまらない、文化ごと味わう体験がそこにあった。
この場所に来たことで、ようやく旅のペースが整った気がした。
バタバタもあったけれど、それも全部、この静けさを引き立てる前振りだったのかもしれない。
この日いただいたのは、お店の特選「竹産霜雪茶(ちくさんそうせつちゃ)」。
まろやかな口当たりとやさしい香りが印象的で、
一口飲むごとに、緊張していた心と体がゆるんでいくのがわかる。
とはいえ、お茶の淹れ方なんてよく知らないし、ちょっと緊張…
でも幸運なことに、日本語がとても上手なスタッフの方が対応してくださり、
一緒に茶器を使いながら、丁寧に淹れ方を教えてくれた。
急須に茶葉を入れ、湯を注ぎ、香りを閉じ込めるように蓋をして数秒。
ガラスのピッチャーに注ぎ分け、最後に小さな茶杯へ。
その一連の所作に、なんとも言えない静けさと美しさが宿っていて、
“お茶を淹れる”という行為が、こんなにも心を整えるものなんだと知った。
メニューには食事も豊富にそろっていて、ちょっとしたディナー使いもできるのが嬉しいポイント。
食事をしながらお茶を楽しむ人、家族でくつろぐ人、静かに読書をする人…
それぞれが思い思いの過ごし方をしていて、この場所の懐の深さを感じた。
お茶を楽しんでいるうちに、ふと気づくと空腹も限界に。
せっかくなら…と、軽めの夕食に選んだのは薬膳火鍋のセット。
いただいたのは「養生藥膳肉片鍋」。
クコの実やナツメ、高麗人参など、身体に嬉しい素材がたっぷり入った薬膳スープに、
薄切りの豚肉と野菜をさっとくぐらせていただく、やさしくて滋味深いひと鍋。
派手な味つけはないけれど、
じんわりと体の芯から温まるような、ほっとする美味しさ。
旅の緊張がようやくほどけていくのを感じながら、じっくりと味わう。
食後には、台湾の定番スイーツ「水果湯(フルーツの温スープ)」が。
この日はバナナ入りで、とろりと甘く、薬膳の香りもほんのり。
胃の奥までじわっと染みるような、優しい締めだった。
そしてふと目をやると、静かに現れたのは一匹の猫。
近づきすぎることもなく、離れすぎることもなく。
つやのある毛並みに凛とした表情。この空間の空気を守る番人のような存在にも癒された。
薬膳火鍋とお茶で心身を整え、短いながらも濃いひとときを過ごしたあと、
時間に余裕をもって再び空港へ。
▼ 桃園空港からの移動はUberが快適!
今回の台湾旅では、桃園国際空港から市内までの移動にUberを利用しました。
空港の出口を出たらアプリで呼ぶだけ、料金も事前にわかるので安心。
台湾ではタクシーも安くて便利ですが、言語や支払いの不安がある方にはUberが特におすすめです。
荷物が多いときや深夜・早朝の移動も、ホテルや空港の目の前まで送迎してくれるのでかなり助かります。
初めて使う方は、以下の紹介コードを入力すると1回のみUberの乗車が60%割引が適用されます(※地域により条件が異なります):
👉 紹介コード:mt5xr8sj1qk8
旅行中はもちろん、国内でも使えるので、これから登録する方はぜひ活用してみてください◎
帰り道は迷わず、迷いなく。
さすがに交通費はかさむけれど、「時間を買う」選択は正解だったと思う。
チェックインカウンターでは、深夜便に向かう人たちが静かに列をつくっていて、
その空気感に、こちらも自然と気持ちが整っていく。
フライト前の最後の一杯は「林東芳牛肉麵」
チェックインを済ませたあと、空港のフードコートで軽く夕飯。
選んだのは、台北発の超有名店「林東芳牛肉麵(リントンファン ニューロウミェン)」。
あのミシュランのビブグルマンにも選ばれたことがある、牛肉麺界のレジェンド的存在です。
注文したのは「小小肥牛肉麵(Shredded Beef Noodle Soup Set)」。
とろとろの牛肉と、ほどよいコシのある太麺。
薬膳系の香りがほのかに漂うスープは、濃厚なのに飲み干せる美味しさ。
空港でこのクオリティは正直驚き。
台北市内の本店に行かなくても、ここで十分満足できる一杯です。
牛肉麺でお腹を満たして、ようやく落ち着いたところで搭乗ゲートへ。
次なる目的地は…パリ・シャルルドゴール空港(CDG)行き、23:25発の深夜便。
台北での数時間トランジットとは思えないほど濃厚な時間を過ごし、名残惜しさを感じつつ、いざヨーロッパへ出発です。
桃園国際空港の搭乗ゲートエリアには、それぞれ異なるテーマの装飾が施されていて、歩いているだけでも楽しい。
こちらのエリアはサンリオとコラボしたスペース。淡いピンクに、旅をテーマにしたイラストが壁にも天井にも描かれていて、まるでテーマパークのよう。
中には子ども向けの待合スペースや、ゲームが楽しめるスクリーンもあり、出発前の時間つぶしにもぴったり。
大人もつい写真を撮りたくなるような可愛らしい空間で、旅の終わりにほっとするひとときでした。
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そしてどうやら、私たちが乗るフライトもサンリオとのコラボ機体。
EVA AIRの「Hello Kitty Jet」シリーズで、機体全体がキャラクターでびっしり彩られた特別塗装。
見つけた瞬間、疲れも吹き飛ぶ可愛さで、旅の最後にちょっとしたサプライズ。
搭乗前からワクワクが止まらない、空港での嬉しい出会いでした。
このあと14時間のフライトでパリへ。
いよいよ、今回の「50 Best Gastronomic Journey」のメインステージが始まろうとしている。
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