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pescecoについて
コンセプト
pesceco(ペシコ)の料理は、単なるイタリアンではなく、島原の風土・歴史・文化を一皿に凝縮させた、井上シェフ独自の「里浜ガストロノミー」。
このコンセプトのもと、料理を通じて 「島原の新たな魅力」 を発信し続けています。
井上シェフは、地元・島原の食材や伝統を尊重し、それらの魅力を最大限に引き出しながら、一皿に完結させることを目指す。
その信念は、多くの人々に感動を与え、訪れるゲストに島原の風景や記憶を刻む特別な食体験を提供しています。
井上稔浩シェフ
長崎県島原市で生まれ、幼少期から鮮魚店を営む父親とともに市場や釣りに親しみ、地元の食材に深い愛着を持って育つ。
高校卒業後、大阪の辻調理師専門学校に進学し、料理の基礎を学ぶ。2009年、地元・島原市に戻り、父親とともに「お食事処いのうえ」を開業。
2014年には独立し、イタリア料理店「pesceco(ペシコ)」をオープンされています。
レストランの評価
2019年7月には『ミシュランガイド福岡・佐賀・長崎 特別版2019』で一つ星を獲得し、同年には『RED U-35』でゴールドエッグにも選ばれました。
また、食べログの「The Tabelog Award」ではSilverを受賞し、さらに「ゴ・エ・ミヨ」では期待の若手シェフ賞を受賞しています。
これらの受賞歴は、pescecoが提供する「里浜ガストロノミー」という独自のコンセプトと、地元食材へのこだわりが高く評価されていることを示しています。
ダイニングプレリュード
外観はシンプルでありながら洗練されたデザイン。
ウェイティング & レセプション
店内は、白を基調とした清潔感のある空間で、窓からは有明海の美しい景色を望むことができます。
島原の風土や季節を感じさせる、食事前のひとときを大切にする一杯。
メニュープレゼンテーション
メニュー表は、単なる料理のリストではなく、シェフ・生産者・食材のストーリーが交差する一枚の「物語」
スタータードリンク
残念ながら車なので自家製ノンアルコールドリンクで乾杯。
実際に味わった料理
地味
Pescecoのコースの始まりを飾るのは、「滋味」をテーマにした繊細な一皿。
食材の白が織りなす、洗練されたビジュアルでシンプルながらも、滋味深い味わいの重なり。
旬のみやま小蕪を使用し、その甘みと柔らかさを最大限に活かす。
浜辺の散歩
「浜辺の散歩」と名付けられたコンセプトフード。
エタリの塩辛とサツマイモのタルト
まるで島原の浜辺を歩くかのような、郷愁と発見のある一口が、これから始まる食の旅へと誘う。
雲丹パイ
島原沿岸で獲れるガゼウニ(ガンガゼ)を使用し、その旨みを際立たせた一品。
パイ生地の軽やかなサクサクとした食感が、ウニのクリーミーさと絶妙にマッチ。
エイの肝パイ
エイの肝を贅沢に乗せたパイが、濃厚なコクとクリーミーな味わいを生み出し、発酵の深みを加え、刻んだネギのシャープな香りと食感がアクセントとなり、複雑な余韻を残す。
真牡蠣
旨みが凝縮された2年物の真牡蠣を、届いてすぐ真水で茹で、開いた瞬間を冷たい昆布水でマリネ。
ジャージー牛のミルクとネギのオイルを加え、牡蠣の濃厚な余韻にクリーミーさと奥行きをプラス。
波紋のように
島原で採れる昆布の旨みを凝縮し、軽やかな泡状に仕立てふわっとした食感が、まるで水面に広がる波紋のような演出を生む。
下には島原で朝上がったカワハギ、その肝で和えたコウ貝を忍ばせている。
水面に広がる波のように、ひと口ごとに味わいが変化し、素材の旨みが繊細に広がっていく。
余韻
スープのベースとなる昆布・生ハム・コウタケの組み合わせが、複雑で長く続く味わいを生み出す。
スープの熱とともに、車海老の香りがゆっくりと広がり、食べ終えた後にも余韻が残る。
Fish & ham
ふくどめ小牧場さんのサドルバックの生ハム。
26ヶ月以上の長期熟成により、深い旨味と芳醇な香りが特徴です。
まずは薄くスライスしたてを一枚
鹿児島・ふくどめ小牧場で26ヶ月熟成されたサドルバックの生ハムを、真名鰹のフリットの上に添える。
フリットの温かさで、生ハムの脂がほどよく溶け、魚の旨味と一体化。
サクッとした衣としっとりとした真名鰹の身、熟成ハムの奥深さのコントラストが秀逸。
ふんわりと広がる魚の旨味と、生ハムの芳醇な余韻が重なる、洗練された一皿。
ガネ素麺
「ガネ」は、長崎県島原地方でカニを指す方言で、特にワタリガニを指します。
内子をたっぷり抱えたメスの蟹を茹で上げ、丁寧に毟った身と濃厚な蟹エキスを絡めた、贅沢な一杯。
Pescecoが贈るこの一皿は、島原の海の恵みを最大限に活かした冷たい素麺。
原風味
クエの持つ繊細な旨みと、イリコの深いコク、オキアミの発酵の風味が複雑に絡み合い、味の層を重ねていく一品。
風物詩
冬の有明海に飛来する真鴨を主役にした料理。
捕獲時に食べさせるお米の藁を使い、藁焼きの香ばしさと、噛みしめるたびに広がる濃厚な旨みのバランスが秀逸。
火入れは完璧に計算され、噛みしめるたびに鴨の旨みが広がる。
ひとつの鍋
その日使用した魚のエキスをすべてまとめ、スパイスの香りを重ねた締めの逸品。
その日によってスープの表情が変わる、一期一会の味わい。
二杯目は卵のまろやかさと、唐辛子麹のピリッとした刺激が絶妙なコントラストを生む。
Pescecoの料理の余韻を、最後の一口までしっかりと感じられる、心に残る締めくくり。
デザート & フィナーレ
懐記憶
日本人にとってどこか懐かしさを感じる甘味をテーマにした一皿。
香ばしいきな粉、優しい甘さのあんこ、濃厚なバニラジェラートを組み合わせ、シンプルながらも心に残る味わいを表現している。
まとめと感想
Pescecoでの食体験は、島原の風土と食材が織りなす、記憶に残るひとときだった。
シェフ井上氏の料理には、自身の幼少期の記憶、島原の自然の恵み、そして繊細な技法が見事に融合していた。
食材をただ調理するのではなく、土地の物語を一皿一皿に込め、食べることで風景が浮かび上がるような体験だった。
予約とアクセス情報
予約方法:
オンライン予約のみ:「ポケットコンシェルジュ」で予約が可能です。
注意事項:
予約は基本的に2ヶ月先まで受け付けています。
現在、お昼のみの営業となっており、12時に一斉スタートです。
アレルギー対応については、時期によって対応が難しい場合がありますので、事前にお問い合わせください。
お子様連れのご来店は基本的にお断りしておりますが、大人と同様のコースをご希望の場合はご相談ください。
アクセス情報:
住所: 長崎県島原市新馬場町223-1
交通手段:
電車: 島原鉄道「島原駅」から徒歩約10分
車: 長崎空港から約90分
熊本方面から: 熊本港からフェリーで約30分、島原外港からタクシーで約5分
駐車場:
店舗には6台分の駐車スペースがあります。
定休日:
日曜日・月曜日(不定休あり)
詳細や最新情報は、公式サイトをご確認ください。
pescecoを目的地とした島原の旅はこちらを参考に
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