BISHOKU QUEST

Locanda del Campoについて

コンセプト

Locanda del Campo(ロカンダ デル カンポ)は、長崎県雲仙市千々石町に位置するイタリアンレストランです。店名はイタリア語で「畑の旅籠」を意味し、その名の通り、畑の中に佇む小さなレストランです。イタリア各地の郷土料理をベースに、地元の食材を活かした料理を提供する注目のレストランです。

宇治シェフ夫妻

シェフの宇治拓磨さんとその妻で同じくシェフの望さんが共同で運営
宇治夫妻はイタリア・トスカーナ地方などで培った技術と経験を活かし、地元・千々石の豊かな食材を取り入れた料理を提供しています。地元の農家や漁師とのつながりを大切にし、在来種の野菜や島原半島で獲れるジビエ、小浜で揚がる新鮮な魚介類など、地域の恵みを活かしたメニューが特徴です。

レストランの評価

現時点ではまだ評価数は少ないものの、地産地消を重視した料理と確かな技術から「地域の魅力を伝えるレストラン」として婦人画報でも特集され、今後さらに人気が高まることが期待されるレストランです。雲仙の自然の中で、トスカーナを中心としたイタリアの郷土料理と千々石の風土が融合した特別な食体験に期待が高まります。

ダイニングプレリュード

外観・エントランス

外観は、イタリア・トスカーナ地方の都市シエナの街並みに見られるブラウンカラーを取り入れた三角屋根が特徴的で、シンプルながらも温かみのあるデザインとなっています。

レセプション・ウェイティングルーム

店内に入るとオープンキッチンが広がっています。店内は天井が高く、大きな窓からは千々石の海と山の景色を一望でき、開放的な空間が広がっています。

外観・内装ともにシンプルでありながら、温かみと開放感のあるデザインが特徴です。

ダイニングスペース

シェフの調理風景を間近で楽しめるカウンター席や、ゆったりと食事を楽しめるテーブル席が設けられています。また、自然の風を感じながら食事ができるテラス席もあります。

実際に味わった料理

プリマヴェーラ

平戸の福田酒造の甘酒を練り込んだ特製の春巻きの皮。
地元産のタケノコイモに黒ごま、そしてモッツァレラチーズで巻いて焼き上げた和とイタリアンの要素を融合させた一品。

コシナガマグロと菊芋、ボッタルガ

コシナガマグロを脱水マリネすることでもちもちとした食感を際立たせ、下には地元・荒木豆腐店の豆腐とヤマト醤油の醤油粕を合わせたコクのあるディップソースを敷き、その中にほのかな甘みと食感のアクセントとなる菊芋のマリネを忍ばせ、トップにはピリッとした辛味の赤リアスからし菜を添え、さらに野母崎の塩を使ったぶりの卵のボッタルガを散らすことで、旨味と風味の調和が取れた洗練された一皿に仕上げています。

黒田五寸人参とサゴシのフリット

間引きした黒田五寸人参のフリットは、軽やかな衣の中にほのかな甘みと優しい食感を閉じ込め、下に敷かれた前年に煮詰めたみかんが、甘酸っぱさと塩気をバランスよく加えてくれます。
橘湾で揚がったサゴシは、ふっくらとした食感と淡白ながらも旨味の詰まった味わい。
ルッコラのほろ苦さが爽やかなアクセントになり、仕上げに振りかけられた黒田五寸人参の葉のふりかけと落花生が、香ばしさと奥行きをプラスし、
季節感と味わいのバランスが取れた一皿。

僕らの米でつくった日本酒

シェフ自らが育てたお米を使用し、平戸の福田酒造と共同で仕込むことで、料理との相性を考え抜いた一本に仕上げられています。

特に心温まるのは、ラベルにシェフのお子さんが描いた絵を採用している点。純粋な想いが詰まったデザインが、この酒の特別感をさらに引き立てています。

さらに、売り上げの50%を能登半島地震の災害支援に寄付するという強い社会的メッセージも込められており、美味しさだけでなく、人の温かさやつながりを感じさせるお酒になっています。

千々石風パンコット

この料理は、プーリア地方の伝統料理「パンコット」をLocanda del Campoらしくアレンジし、地元の食材を巧みに融合させた、郷土愛と技術が詰まった一皿。

里芋のテリーヌ、アコウ

里芋を寝かせて水分を抜くことで甘みと旨味を凝縮させ、香ばしくロースト。そこに、橘湾のサバを燻製にかけたものを重ね、スモーキーな風味とともに海の旨味を加えることで絶妙に調和。
仕上げには、有明海の海苔で巻くことで、磯の香りと軽やかな塩味がアクセントになり、見た目にも引き締まった一皿に。

さらに、隣にはアコウ(キジハタ)をシンプルに蒸し上げたものを添え、ふっくらとした食感と繊細な旨味を際立たせています。

燻香、発酵、ロースト、海苔の風味といった多層的な要素が融合し、繊細でありながら味わい深い、土地の恵みを活かしたテリーヌです。

千々石風ラサ

エミリアロマーニャ州のパスタ「ラサ」は、まとめた生地をチーズ削りで削り出す独特の製法を持つパスタで、ここでは地元の六兵衛うどんと同じくサツマイモの粉を練り込んで作られ、ほんのり甘みのある優しい味わいと、もちっとした食感に仕上げられています。

この特製ラサを、橘湾の鯛から丁寧に引いた澄んだお出汁をコンソメ仕立てにしたスープと合わせることで、穏やかな旨味と奥深い味わいを引き立てています。

さらに、具材には冬瓜のやわらかな口当たりと、コウ貝をじっくり3時間蒸して引き出した凝縮した旨味を加え、穏やかなスープの中にコクをプラス。

仕上げに、赤水菜のシャキッとした食感とほろ苦さがアクセントになり、最後に椿油をサッと振りかけることで、まろやかな香りとコクが全体を包み込むような仕上がりに。

イタリアと千々石の伝統を結びつけながら、地元の素材で再構築された、滋味深く洗練された一皿です。


ピッツォッケリ

ロンバルディア地方の伝統的なそば粉入りパスタを、地元の素材を活かしてアレンジした一皿。

パスタには、高城町で育った“幻のそば粉”といわれる、生産量が少なく希少なそば粉を練り込み、香ばしさと独特の風味をプラス。そば粉ならではのコシと、素朴でありながらも深い味わいが特徴です。

口之津町で育った芳寿豚のサルシッチャ(腸詰め前の段階のもの)をソテー、さらに、蕪とその葉を加えセージバターで仕上げる。

そば粉の風味、豚の旨味、セージバターの香ばしさが一体となった、シンプルながら奥深い、郷土のエッセンスが詰まった一皿です。

猪のペポーゾ

メイン料理は、トスカーナ州シエナ県の伝統料理「ペポーゾ」を、地元・千々石の素材と組み合わせて再構築した、力強くも洗練された一皿。

ペポーゾは、黒胡椒をたっぷり効かせた赤ワイン煮込みで、今回は猪のもも肉を使用し、じっくり煮込むことで野性味のある旨味を引き出しながら、赤ワインの酸味とコクが深い味わいを生み出しています。黒胡椒のスパイシーな香りがアクセントとなり、トスカーナらしい豪快な仕上がりに。

この力強い煮込みに寄り添うのが、千々石ブナ南瓜をローストしてマッシュ。ローストすることで南瓜本来の甘みが凝縮し、ねっとりとした口当たりが、ペポーゾのスパイシーさと対照的なバランスを生み出しています。

デザート & フィナーレ

シチリア伝統菓子「赤紫芋のカンノーロ」と金柑のソルベ

一つ目は赤紫芋のクリームを使ったスイーツ。赤紫芋ならではの鮮やかな色合いと、濃厚な甘み、滑らかな口当たりが特徴で、シチリア菓子の素朴で優しい味わいを引き継ぎながら、和の要素を取り入れた仕上がりになっています。

もう一つは、金柑とオリジナルの日本酒を使ったソルベ。金柑の爽やかな酸味とほろ苦さが、オリジナル日本酒のほのかな香りとともに、すっきりとした後味を演出。繊細な甘みとシャープな味わいが、全体のバランスを引き締めています。

仕上げに、「ゆら早生」という品種のみかんをチップスにして添えることで、パリッとした食感と凝縮した柑橘の香りがアクセントに。

濃厚な赤紫芋のクリームと、爽やかで香り高い金柑と日本酒のソルベ、そしてみかんチップスの食感と香ばしさが調和する、シチリアのエッセンスを感じながらも、地元の恵みを活かした洗練されたデザートです。

お茶菓子

このお茶菓子プレートは、イタリア各地の伝統菓子をベースに、地元の食材を融合させた、郷土色と季節感が詰まった一皿。

1. 栗のクリームを詰めたスフォリアテッラ
ナポリの伝統菓子スフォリアテッラは、パリパリとした幾重にも重なる生地が特徴的。通常はリコッタチーズやセモリナを使ったフィリングが定番ですが、ここでは栗のクリームを詰め込むことで、秋らしい甘さとほっくりとした風味を演出。

2. 目の前の畑のお米で作るトルタ・ディ・リーゾ
ボローニャの伝統菓子トルタ・ディ・リーゾ(ライスケーキ)は、ミルクで煮たお米を生地に混ぜ込んだ、しっとりとした食感の焼き菓子。ここではシェフの畑で育った地元のお米を使用し、優しい甘さと素朴な味わいを強調。

3. できたての干し柿入りチョコレートサラミ
チョコレートサラミは、イタリアの家庭で作られるシンプルながらも濃厚なスイーツ。通常はナッツやクッキーを混ぜ込むところ、ここではできたての干し柿を加えることで、ほんのり和のニュアンスをプラス。

イタリア各地の伝統を感じながら、料理の余韻に浸ります。

まとめと感想

イタリア各地の伝統的な料理や菓子をベースにしながら、長崎の豊かな食材や地元の風土を見事に融合させた、唯一無二の食体験でした。

「土地の恵みをそのまま楽しむ」というコンセプトが一貫して貫かれているのが素晴らしく、「この場所、この時代だからこそ生まれた特別な体験」としての価値がしっかりと感じられます。

郷土の食材、イタリアの伝統、発酵文化、シェフの想いが織りなすこのコースは、一皿ごとに異なるストーリーを持ちながらも、すべてが一つのテーマに収束していく、心に響く食の旅そのものでした。

予約とアクセス情報

予約方法:電話予約のみ受け付けています。
対応しやすい時間帯は9:00〜11:00および14:00〜17:00です。

住所:長崎県雲仙市千々石町己333
営業時間:
ランチ:11:30〜13:30(最終入店)
ディナー:17:30〜18:30(最終入店)
定休日:月曜日(ただし、暦や都合により変更される場合があります)
アクセス:敷地内に7台分の駐車場があります。

2025.01.08
Destination: OBAMA・CHIJIWA AREA Vol.1
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「知られざる美食の旅へ—心と五感で味わう特別なひとときを」

BISHOKU QUESTは、全国の厳選された美食スポットを巡るグルメ探求プロジェクトです。
地元の食材を活かした料理、シェフのこだわりが詰まった隠れ家的なレストラン、食を通じて地域の文化や歴史を体験できる場所を厳選してご紹介。
味わうだけでなく、その土地ならではの空気やストーリーを感じる特別な食の旅をご提案します。

食を愛するすべての人へ、新しい美食の発見と感動をお届けします。
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