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ESPRIT C. KEI GINZAについて
コンセプト
ESPRIT C. KEI GINZA(エスプリ・セー・ケイ・ギンザ)は、フランスでアジア人初のミシュラン三つ星を獲得した小林圭シェフと、室町時代後期創業の和菓子屋「とらや」が共同で手掛けるレストラン。
店名の「C」は、「cuisine(料理・厨房)」と「creation(創造性)」を意味し、レストランの中央には大きなオープンキッチンを配置しています。
コースメニューではなく、アラカルト形式で提供されており、お客様はお好みの食材を選び、その素材の美味しさを最大限に引き出した一皿を楽しむことができます。
「美食の研究所」をコンセプトに掲げ、伝統と革新が共存する銀座の地で、フランス料理の枠を超えた自由な発想で美食の革新を追求しています。
杉本 昌久シェフ
調理師学校を卒業後、ホテルなどで経験を積み、「オテル・ドゥ・ミクニ」で修行をされました。
2010年からはスイスやフランスで現地の料理を学び、2015年から5年間、「ホテルニューオータニ高岡」で料理長を務められました。
その後、2021年にオープンした「Maison KEI」の立ち上げからスーシェフとして参加し、パリの「Restaurant KEI」での研修を経て、現在は東京・銀座にある「ESPRIT C. KEI GINZA」のシェフを務めていらっしゃいます。
杉本シェフは、小林シェフのフィロソフィーを体現し、フランス料理の枠を超えた自由な発想で美食の革新を追求する料理を提供されています。
小林圭シェフ
小林 圭(こばやし けい)シェフは、2020年にアジア人初となるフランス・パリでミシュラン三つ星を獲得した料理人です。
彼のレストラン「Restaurant KEI」は、以降5年連続で三つ星を維持し続けています。
2024年12月30日に公開された映画『グランメゾン・パリ』では、小林シェフが料理監修を務め、劇中の料理を手掛けました。
この映画は、2019年に放送されたドラマ『グランメゾン東京』の続編で、木村拓哉さん演じるシェフ・尾花夏樹が、フランス・パリで新たな挑戦をする物語です。
さらに、映画の公開に合わせて、小林シェフが監修した特別メニューが提供されており、映画の世界観を実際に味わうことができます。
レストランの評価
ミシュランガイドでは、「伝統と新しさが共存する銀座で、“美食の研究所”をコンセプトとし、創造性あふれる料理をアラカルトで楽しませる」と評価されています。
全体としては独創的な料理と洗練された空間で、訪れる人々に特別な食体験を提供していると評価されています。
ダイニングプレリュード
外観・エントランス
「ESPRIT C. KEI GINZA」は、東京・銀座の虎屋銀座ビル11階に位置しています。
エントランスは、中央通りから一本入った「すずらん通り」の中ほどにあり、1階エントランス奥の直通エレベーターで11階のレストランまで行くことができます。
ダイニングスペース
店内は、フランスの石文化と日本の木文化を融合させたデザインが特徴で、石と木が調和した新しい空間を創り出しています。
レストランの中央には大きなオープンキッチンが配置され、ライブ感あふれる料理の様子を楽しむことができます。
メニュープレゼンテーション
「ESPRIT C. KEI GINZA」では、コースメニューではなく、アラカルト形式で多彩な料理を提供されています。
前菜からメインディッシュ、デザートまで、好みに合わせて組み合わせることができます。
メインディッシュのお肉料理は実際に数種類のお肉をお客様にお見せし、その中から好みのものを選択するスタイル。
さらに、ソースや薬味もお好みに合わせて選ぶことができ、例えば、シンプルな「ジュ」や、生山椒、柚子胡椒、おろしポン酢などが用意されています。
このようなサービスにより、その日の気分や好みに合わせて、よりパーソナライズされた食体験を楽しむことができます。
また、映画『グランメゾン・パリ』の公開を記念して、劇中に登場する料理をオマージュしたメニューが期間限定で提供されています。
スタータードリンク
3種類の中から選べるシャンパーニュの中で、私は「BOLLINGER(ボランジェ)」をチョイス。華やかで上品な香りとともに、特別な夜がスタート。
残念ながら写真を撮るのを忘れてしまいました。
実際に味わった料理
赤紫蘇のグラニテ
「ESPRIT C. KEI GINZA」でのアラカルトのスタートは、鮮やかな赤紫蘇のグラニテから。
赤紫蘇のジュースに梅酒と梅酢を加え、ほどよい酸味が際立つ一品。シャリっとした口当たりとともに、ふわりと広がる赤紫蘇の香りが心地よく、食事の序章にぴったりの爽やかさでした。
このグラニテは、映画『グランメゾン・パリ』にも登場したもの。スクリーンの中の料理を実際に味わえるという特別感も相まって、期待感が一層高まります。
ヨーグルトムース、鰆の燻製タルト
なめらかな食感の中には、絶妙に燻された鰆が隠されており、軽やかな酸味とスモーキーな香ばしさが見事に調和しています。
ムースのクリーミーな口当たりと、サクッとしたタルト生地のコントラストも楽しいアミューズ。
南洲黒豚の生ハム、竹炭のニョッコフリット
もうひとつのフィンガーフードは南洲黒豚の生ハムを使った一品。しっとりとした口当たりの生ハムの間には、鮮やかなバジルソースが挟まれ、爽やかな香りが広がります。
さらに驚きなのが、中に忍ばせた竹炭のニョッコフリット。
サクッとした外側と、ふんわりとした内側の食感のコントラストが楽しく、生ハムの旨みとバジルのフレッシュさをより一層引き立てています。
シンプルながらも、素材の組み合わせとテクスチャーの妙が光る一皿。
南洲黒豚の凝縮された旨みと、バジルの爽やかさ、竹炭のほのかな香ばしさが絶妙に絡み合い、余韻の長い味わいを楽しめました。
シャンパンの次に選んだのは、Planeta Chardonnay 2022。
シチリア・メンフィ産のシャルドネで、芳醇な果実味と樽熟成によるリッチな香りが特徴的な一本です。
この後に続く料理とのマリアージュが楽しみになる、素晴らしい一杯。
最中 キャビアクリスタル 噴火湾産毛蟹 グリビッシュ
「KEI」のロゴが刻まれた最中の中には、北海道・噴火湾産の毛蟹がたっぷりと詰め込まれています。
蟹の繊細な甘みを引き立てるのは、爽やかな酸味が特徴のグリビッシュソース。そして、小林圭シェフが厳選した「クリスタルキャビア」を贅沢にのせて仕上げには金粉があしらわれています。
最中の軽やかな食感と、毛蟹のしっとりとした旨み、キャビアの塩味が絶妙に絡み合い、一口で贅沢なハーモニーが広がります。シンプルながらも計算され尽くした構成で、洗練された味わいを堪能できる一品でした。
静岡県御殿場市にある「ブーランジェリー・パティスリー・アダチ」のライ麦のカンパーニュ。
CEDRIC CASANOVA(セドリック・カサノヴァのエクストラバージンオリーブオイル。シチリア産の高品質なオリーブを使用し、鮮度と風味にこだわった一本。
地鶏と牛肉のコンソメ
透き通る琥珀色のコンソメから立ち上る香りは、まさに極上の一杯。
このスープの深い旨味を支えているのは、ウィスキーの持つコクと複雑な香り。
使用されているのは、小林圭シェフがジョニーウォーカーとコラボレーションした「ジョニーウォーカー ブルーシリーズ」。
ウィスキーの豊かな風味がコンソメに奥行きを与え、味わいに重層的な深みをもたらしています。
さらに、器の底にはスライスされた黒トリュフが敷かれ、眼の前でスープを注ぐことでその芳醇な香りが立ち昇る仕掛けに。
ウィスキーのスモーキーなニュアンスと黒トリュフの濃厚な香りが溶け合い、一口ごとに贅沢な余韻が広がります。
ジョニーウォーカー ブルーラベル ウマミ
次にはオーダーした白ワインは、Stag’s Leap Wine Cellars AVETA 2022。
カリフォルニア・ナパヴァレー産のソーヴィニヨン・ブランで、フレッシュな果実味と美しい酸が魅力の一本です。
焼津サスエ前田魚店金目鯛の鱗焼き,イカ墨のピストウ
続いて登場したのは、静岡・焼津の「サスエ前田魚店」から仕入れた金目鯛を使った一皿。繊細な火入れが施され、パリッと仕上げられた鱗焼きは、香ばしさとジューシーさが共存する贅沢な味わい。
この金目鯛を引き立てるのは、イカ墨のビストゥソース。バジルの香りとイカ墨のコクが融合し、深みのある味わいを生み出しています。
さらに、仕上げにはフィンガーライムと柑橘を添え、爽やかな酸味とプチプチとした食感がアクセントに。
オマールブルー海老フライ・ビスクスープ
最高級のフランス・ノルマンディ産オマールブルーを贅沢に使用し、竹炭を練り込んだ衣で揚げた特製海老フライ。
見た目のインパクトだけでなく、オマールブルーの持つ濃厚な甘みとプリッとした食感が際立つ一品。
シンプルながらも計算された味のバランスが絶妙で、食べるごとに感動が増していく——そんな贅沢な海老フライでした。
添えられたグリビッシュソースの酸味が軽やかさをプラスし、さらに、小林圭シェフが厳選したクリスタルキャビアが贅沢なアクセントを加えます。
繊細さと力強さが融合したその味わいは、まさに作品のテーマとリンクするかのよう。食べながらそのストーリー性にも思いを馳せることができる、特別な体験となりました。
外はサクッと香ばしく、中はジューシーな海老の旨みが広がる。
オマールブルーの旨みを余すことなく凝縮した、贅沢なビスクスープ。濃厚な甲殻類の風味が広がり、ひと口飲むごとに奥深い味わいを感じられる一品です。
メインのお肉に選んだのは、イタリア・ピエモンテの至宝「バローロ」
「Borgogno Barolo 2019」
鳥山牧場「紡ぎ和牛」の炭火焼
炭火でじっくりと火入れされた鳥山牧場の「紡ぎ和牛」。
まずは、焼き上がったばかりの状態を見せてもらい、表面の美しい焼き色や、立ち昇る稲藁の薫香に期待が高まる。
和牛の旨みを最大限に引き立てるのは、ベアルネーズソース。
さらに味の変化を生み出すジュードボー。
加えて、「クレソン、洋わさび、マスタード」の薬味が用意されており、それぞれが異なるアクセントを加え、味の変化を楽しめる構成になっています。
そして、付け合わせには「黒トリュフ入りのポテトのピュレ」を選択。
これがもう、めちゃくちゃ美味しい。
クリーミーな口当たりのピュレに、黒トリュフの芳醇な香りが溶け込み、贅沢な余韻を残してくれる。肉と合わせても単体で味わっても最高の仕上がり。
「KEI」の文字が入ったステーキナイフは、日本刀をルーツとする越前打刃物の技術を活かした福井県の「龍泉刃物」が製作したもので、繊細な波紋模様が美しいデザインとなっています。
デザート & フィナーレ
ヴァシュラン
「ESPRIT C. KEI GINZA」の食事を締めくくるのは、パリの「Restaurant KEI」でも提供されているシグネチャーデザート、ヴァシュラン。
ヴァシュランとは、焼いたメレンゲにクリームやアイスを組み合わせた、フランスの伝統的なデザート。ここでは、小林圭シェフのエレガントなアレンジが加えられ、見た目の美しさと繊細な味わいが際立つ一皿となっている。
サクッと軽やかに焼き上げられたメレンゲは、口に入れると儚く崩れ、滑らかなアイスと濃厚なクリームが絶妙に絡み合う。そして、この特別なヴァシュランの仕上げには、「とらや」のあんこのソースが添えられ、日本のエッセンスが加わることで、まったく新しいデザート体験が生まれる。
銀座プリン
なめらかな食感と上品な甘さが特徴で卵型の器がかわいい。
食後のお茶菓子として、フィナンシェが提供されます。
このフィナンシェには、老舗和菓子店「とらや」の餡が挟まれており、フランス菓子と和の要素が見事に融合した一品です。
まとめと感想
贅沢なアラカルト体験
「ESPRIT C. KEI GINZA」では、アラカルト形式ならではの自由な食体験が魅力でした。
この店のキッチンでは、シェフたちの掛け声「ウィ、シェフ」が響きます。
これは、小林圭シェフの哲学を受け継ぎながら、杉本昌久シェフが銀座の地で独自に昇華させている証。
小林圭シェフの世界を杉本シェフが忠実に再現しながらも、日本のエッセンスを加えた料理は、まさに「ここでしか味わえない一皿」。
クラシックな技法と独創的なアイデアが融合し、どの料理も素材の個性を最大限に生かすシンプルさの中に、計算し尽くされた味の構成がありました。
今回のディナーでは、映画『グランメゾン・パリ』に登場する料理を実際に味わうことができたのも、特別な体験のひとつでした。
予約とアクセス情報
予約方法:
電話予約の受付時間は13:00〜21:00(日曜・月曜を除く)
アクセス情報:
住所: 東京都中央区銀座7-8-17 虎屋銀座ビル11階
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火曜〜土曜:17:30〜23:00(ラストオーダー 20:30)
定休日:日曜・月曜
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