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赤坂 藤田について
コンセプト
福岡・赤坂の住宅街にひっそりと佇む「赤坂 藤田」。
料理人としての経験はすべて自身の肌で得たもの。修業という枠にとらわれず、全国を食べ歩き、素材と向き合い、独自の審美眼で築いてきた味の世界。
決して奇をてらうことなく、旬の素材の持ち味を丁寧に引き出す。
手を加えすぎず、かといって単調にならない。素材の持ち味と料理人の感性が静かに響き合う、そんな一皿一皿がこの店にはある。
料理は基本的におまかせのコース一本。和食を軸にしながらも、調理法や盛り付けには藤田さんならではの直感とセンスが光る。
出汁のとり方、火入れのバランス、香りの重ね方に、日々の研鑽と丁寧な仕込みがにじむ。
店内はカウンター中心の静謐な空間。料理と向き合い、会話を交わし、自然と時を忘れる。
肩肘張らずに楽しめる空気感もまた、この店の魅力のひとつ。
大将・藤田愛士(あきひと)氏
29歳で福岡・早良区にて「焼鳥 あきちゃん」で独立。
当時は経営に追われながらも、徐々に「料理の質」に真正面から向き合いたいという思いが芽生え、自ら積極的に東京や関西の名店を食べ歩くように。
そうした中で「もっといいものを、自分の手で」という“作り手の意志”が強まり、独学で料理を磨いてきた。
2018年、現在の場所に「赤坂 あきちゃん」を構え、素材選びから調理、接客に至るまで、細部にまで気を配る姿勢と柔軟な発想が徐々に評価されていく。
そして2022年、さらなるステージとして「赤坂 藤田」をオープン。
料理人としては珍しく、どこにも修行に出ていない。
それでも全国各地の旬の食材を的確に見極め、品種・産地・鮮度にこだわりぬいた素材選び、そして過剰な創作を排した“今、自分が一番美味しいと思えるもの”を愚直に表現していく姿勢は、確かな信頼を集めている。
レストランの評価
“赤坂 藤田”は、独学で腕を磨いた藤田大将による、季節感あふれる創作和食の名店。ミシュラン・ビブグルマンや食べログ高評価など、各所で注目される中、訪れた人々は「食材&ペアリングのセンス」「土鍋ご飯の美味しさ」「隠れ家的なカウンター空間」に魅了されています。まさに“食のセンス×居心地の良さ”が揃った、福岡を代表する隠れ家です。
ダイニングプレリュード
外観・エントランス
赤坂の住宅街にひっそりと佇む「赤坂 藤田」。
店の前を通ると、格子戸越しにほんのり灯る柔らかな照明が目に留まる。木の質感を活かしたシンプルな設えは、派手さはないが自然と足を止めたくなる雰囲気がある。
入り口横には「赤坂 藤田」と彫られた木の看板。余計な装飾をそぎ落とした潔い意匠でありつつ、手仕事の温かみも感じる。
店内の様子は外からも少しだけ見えるけれど、外との間にほどよい距離感があって、初めてでも入りづらさはない。
静かな通りの中で、凛とした存在感を放つ外観。
肩肘張らずに訪れられる空気感が、この店の良さを象徴しているように思う。
ダイニングスペース
一歩店内に入ると、凛とした空気と静謐な和モダンの空間が広がります。
カウンター席が中心のダイニングスペースは、洗練されつつも落ち着ける雰囲気。
ゆったりとした椅子と広いカウンター、ワインセラーや日本酒の冷蔵庫が並び、料理やお酒へのこだわりが伝わってきます。
メニュープレゼンテーション
「赤坂 藤田」の料理は、“おまかせコース”一本。
内容は月ごと・週ごとに移り変わる旬の食材をふんだんに取り入れて構成されます。
その時期に一番おいしいもの、九州だけでなく全国各地から大将自ら選び抜いた魚介や野菜、肉、米、調味料などが一皿一皿に活かされているのが特徴。
調理法も“炭火焼き”や“和え物”“土鍋ご飯”“創作的なデザート”までバリエーション豊かで、
その時々で出会える驚きや新鮮さが、このお店の魅力のひとつになっています。
実際に味わった料理
先付:糸島のそうめんのりと秋田のじゅんさい
コースの口火を切るのは、涼やかなガラスの器に盛られた先付け。
糸島産のそうめんのりと、秋田産のじゅんさいを合わせた一品です。
そうめんのり特有のつるりとした食感と海藻の香りが、じゅんさいの滑らかなぬめりと美しく重なり、口当たりは軽やか。
だしの優しい風味に浸され、初夏の訪れを感じさせる清涼感に満ちています。
上に添えられたおろしと花穂紫蘇が香りのアクセントに。
ひと口目から、素材の良さと丁寧な仕事ぶりが伝わる、静かで豊かなスターターでした。
鱧のおとし 炭香る皮目と梅肉ソース
二品目は、長崎産の鱧(はも)を使った涼味あふれるひと皿。
丁寧に骨切りされた鱧を落としで仕立て、仕上げに皮目だけを軽く炭火で炙って香りを添えています。
その上にかけられたのは、さっぱりとした梅肉のソース。
下にはほんのり甘みをたたえた青森産のフルーツカブが敷かれ、鱧の淡白な旨みと梅の酸味、蕪の瑞々しさが口の中で一体に。
炭の香ばしさと梅の爽やかさ、そして夏の鱧の清涼感が三位一体となった、記憶に残るひと皿でした。
冷やしうどん 焼き茄子のピュレと北九州のムラサキウニ
続いて供されたのは、冷たい手打ちうどんを使った涼やかな一皿。
器の底に忍ばせたのは、香ばしく焼き上げた茄子を丁寧に裏ごしした焼き茄子のピュレ。
つるりとした喉ごしのうどんに、北九州産のムラサキウニが贅沢に添えられ、
さらにオクラとおろし生姜、そして紫蘇の花が散らされ、見た目にも華やかです。
焼き茄子の香ばしさとウニの甘み、そこにオクラのねばりと薬味の清涼感が重なり、
夏らしさを五感で楽しめる、完成度の高い一品でした。
賀茂茄子と車海老のそぼろ餡かけ
炭火でじっくりと火を入れた賀茂茄子は、箸を入れるととろりとほどけるやわらかさ。
水分をしっかり蓄えた身は、噛むごとに茄子そのものの旨みと甘みがじんわりと広がる。
そこにかけられたのは、車海老のそぼろ餡。
細かくほぐした海老の身にやさしいとろみをまとわせ、出汁の風味とともに、炭火で焼いた茄子の香ばしさをやさしく包み込む。
過不足のない味わいで、素材の力と火入れの確かさが素直に伝わる、静かで印象的なひと皿でした。
料理と共に供されたのは、秋田・新政酒造による「No.6」シリーズの一本。
なかでもこの「H-type(Hope)2024」は、木桶仕込み・生酛造りという伝統製法で仕込まれた特別な限定酒。
グラスから立ちのぼるのは、やさしくも芯のある香り。
穏やかな酸味と繊細な甘みが絶妙に共存し、じゅんさいやウニなどの冷菜とも美しく調和。
料理の風味を引き立てつつ、酒そのものも鮮やかに存在感を放ちます。
繊細な仕事が光る和のコースに、寄り添うようにして花を添える一本でした。
熊本産ドルチェドリームの春巻き 生ハムとサマートリュフ添え
ここで供されたのは、見た目にも華やかな春巻き仕立ての一品。
中には、熊本県産のとうもろこし「ドルチェドリーム」を贅沢に詰め、外は香ばしくパリッと揚げ上げられています。
上には生ハムをふんわりとまとわせ、仕上げには削りたてのサマートリュフがふわりと舞い降りる。
皿の下にはとうもろこしのピュレが敷かれ、最後に酢橘を絞って香りを添えることで、味わいに立体感が生まれます。
甘みと塩味、香ばしさと清涼感。素材の組み合わせが見事に調和した、印象深い夏のひと皿でした。
鯵と生姜の手巻き寿司
終盤に差し掛かるタイミングで供されたのは、大将が目の前で巻き上げてくれる手巻き寿司。
中には新鮮な鯵(あじ)と刻み生姜、香味野菜を軽く和えたものが入っており、海苔はパリッと香ばしい状態で提供されます。
大将が一つひとつ手で巻き、できたての状態で手渡されるその瞬間に、場の空気がぐっと和らぐ。
重ねてきた品々のなかにあって、この手巻きはどこかホッとするようなやさしい締めの一品でした。
脂の乗った鯵に、生姜の辛味が心地よく、最後まで一切の妥協のない仕事が伝わってきます。
パッションフルーツとフォアグラ
ご飯ものの前に登場したのは、強い印象を残す一皿。
器として使われているのは、パッションフルーツの果皮。
中には、八丁味噌で漬けたフォアグラ。表面はキャラメリゼで仕上げられ、甘みと香ばしさを纏っています。
その上にのせられたのは、軽やかなポン菓子。
果実の酸味、フォアグラのコク、味噌の塩味、キャラメリゼの甘さが重なり合いながら、輪郭のあるまとまりに。
甘さに寄せすぎることなく、しっかりと“食”の流れの中にある、構成力のあるひと皿でした。
魚沼産コシヒカリの土鍋ご飯と味噌椀
コースの締めくくりには、湯気立つ土鍋ご飯が供されます。
蓋を開けた瞬間に立ちのぼる香りと湯気、粒立ちの美しさに、場の空気がふっと緩む。
使用されているのは、米どころ新潟・魚沼産コシヒカリ。
一粒ひと粒がふっくらと立ち上がり、かみしめるたびに上品な甘みと香りが口いっぱいに広がります。
合わせて供されるのは、あたたかい味噌椀。
細かく刻んだ青ねぎがたっぷりと浮かび、だしの香りとともに、身体にすっと沁み入るようなやさしい味わい。
素材を主役に据えた藤田さんの料理にふさわしい、静かで力強い締めくくりでした。
Mr.青木さんのハラミ生姜漬け 〜長時間火入れの贅沢おかず〜
土鍋ご飯に添えられるのは、福岡・飯塚の「Mr.青木さん」による特別なハラミの生姜漬け。
丁寧に下味をつけた後、炭火でじっくりと長時間火入れ。適度に休ませながら仕上げることで、肉質は驚くほどやわらかく、噛むほどに旨味が滲み出します。
表面は香ばしく、中はほんのりピンクを残す絶妙な火入れ。
ほんのり甘みのある生姜の風味が、脂のコクを軽やかに包み、魚沼産コシヒカリとの相性は言わずもがな。
シンプルな白ご飯を、最高に贅沢な「おかず」で引き立てる、記憶に残る一皿でした。
おかわりご飯3種:卵黄、梅おかか、鱧カツの卵とじ
「ご飯、まだありますので」と勧められての、思わず嬉しくなるおかわりタイム。
まずは土鍋炊きたてのご飯に、濃厚な卵黄と細切り昆布をのせたシンプルな一杯。
炊き立ての甘みある米と卵のコクが絡み、何度でも食べたくなる味わい。
続いて登場したのは、大きなおにぎり。中には、出汁が香る梅おかかがぎっしり。
海苔の香ばしさと梅の酸味、鰹の旨みが三位一体となった、食後にもう一度心掴まれるような一品。
この梅おかかが、「もう一度食べたい」と思わせるほどの存在感でした。
さらに最後には、揚げたての鱧カツをのせ、卵でとじた贅沢な即席丼まで。
カツのサクサク感と卵のとろみが絶妙に絡み、ふりかけられた七味が食欲を心地よく刺激します。
ただのご飯のおかわりでは終わらせない、遊び心と満足感に満ちた締めの展開でした。
デザート & フィナーレ
マンゴーとパッションフルーツの甘味 〜貴醸酒「陽乃鳥」をかけて〜
食後の甘味として供されたのは、完熟マンゴーとパッションフルーツにヨーグルトのソースを合わせた爽やかな一皿。
フレッシュな果実の甘みと酸味がバランスよく、口の中を心地よく締めくくってくれます。
ここに特別に添えられたのが、新政酒造の頒布会限定「食べる陽乃鳥 にごり酒」をとろりとかけて。
酒というより“甘酒のようなニュアンス”もあり、余韻まできれいに整えてくれる一杯。
通常は飲むお酒として提供されるそれを、なんと“上からかけて”仕上げるという粋な演出。
まろやかな甘みと旨味が加わり、果実と乳の風味を引き立てる、贅沢なデザート酒ソースとしての一面を見せてくれました。
まとめと感想
素材の選定や組み合わせのレベルが高く、それをどう重ねていくかの創作性にも強い印象を受けた。
定番の技法を軸にしながらも、ひと皿ごとに意外性があり、構成の流れにも独自のリズムがある。
藤田大将の料理は、足しすぎず削りすぎず、必要な要素だけをしっかりと残すような印象。
説明も的確で、受け手の理解を置いていかない。そのバランス感覚が一貫していて心地よい。
全体としては、派手な演出ではなく、内容と構成で静かに惹き込むようなコース。
構えずに過ごせる空気感の中に、料理としての強さがきちんと宿っていた。
予約とアクセス情報
アクセス
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住所:福岡市中央区赤坂1-7-23 弁護士ビル1F
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地下鉄空港線・赤坂駅2番出口より徒歩2~3分
予約方法
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完全予約制のコース専門店。予約はTableCheckまたは一休.comから受付
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予約はご本人様から直接のみ受付(代理不可)
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予約時には人数分のデポジット情報入力が必要(当日店舗で支払い)。
代理予約・無断キャンセルには厳格にペナルティあり -
コース料金:16,500円(税込)(一休・食べログによる)
営業時間
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【昼の部】12:00 一斉スタート(※水曜・日曜のみ昼営業あり)
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【夜の部】18:00または19:30 一斉スタート
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営業終了時間は22:00頃まで
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定休日は不定休(要確認)
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