BISHOKU QUEST

akorduについて

コンセプト

奈良市に位置する「アコルドゥ(akordu)」は、シェフの川島宙氏が手掛けるイノベーティブなスペイン料理のレストランです。店名の「アコルドゥ」は、スペイン・バスク地方の言葉で「記憶」を意味し、奈良の歴史や食材、そして訪れる人々の思い出を料理に反映させることをコンセプトとしています。

川島宙シェフ

川島シェフは、辻調理師専門学校で学び卒業後は「ホテル西洋銀座」や「ホテルオークラ東京」で経験を積み、料理の基礎を築く。
その後、スペイン・バスク地方の名店「ムガリッツ」で研修を行い、現地の食文化や料理哲学に触れ、帰国後にスペイン料理をベースとしたレストラン「アコルドゥ(akordu)」を奈良市に開業。
地元奈良の食材を活かした独創的な料理を提供しています。
川島シェフの料理は、「記憶を調理する」という独自のコンセプトに基づき、奈良の歴史や文化、そして自身の経験を反映させた一皿一皿が特徴です。地元の生産者との連携を大切にし、奈良の在来種の野菜や食材を積極的に取り入れることで、地域の魅力を伝える料理を追求しています。

Mugaritzとは

ムガリッツ(Mugaritz) は、スペイン・バスク地方のサン・セバスティアン郊外にある、世界的に有名なレストランです。シェフ アンドニ・ルイス・アドゥリス(Andoni Luis Aduriz) が1998年にオープンし、現在もトップクラスの評価を受けています。

レストランの評価

同店は、ミシュランガイドで二つ星を獲得しており、地元奈良の厳選された食材を使用した独創的な料理が高く評価されています。ゴ・エ・ミヨでは、2018年度に「今年のシェフ賞」を受賞し、以降も高い評価を維持しています。また、食べログの「The Tabelog Award」でもBronzeを受賞しています。

ダイニングプレリュード

外観は和の趣を感じさせる落ち着いたデザインで、門をくぐると右手にスイーツのテイクアウト店があり、その奥にレストランのエントランスがあります。
店内に入ると、ガラス張りで開放感のあるウェイティングスペースが広がり、外のガーデンを眺めながらリラックスして過ごすことができます。また、ガラス越しに厨房の様子も伺うことができ、料理が作られる過程を楽しむことができます。

ダイニングスペース

ダイニングルームは1階にあり、木の温もりを感じるナチュラルでモダンなインテリアが特徴です。大きなガラス窓からは庭の緑が望め、まるで外で食事をしているかのような開放的な雰囲気を楽しめます。

メニュープレゼンテーション

テーブル上には小さな箱が置かれており、その中のカードには詩的な表現でメニューが記載されています。
この演出により、料理への期待感が高まり、食事の体験がより豊かなものとなります。

スタータードリンク

スペインのスパークリングワイン 「Llopart Brut Reserva」
カタルーニャ地方のコルピナット(Corpinnat)に分類される高品質なスパークリングワインで、伝統的な瓶内二次発酵によって造られています。

実際に味わった料理

大鉄砲のアホブランコ

スペイン南部の伝統的な冷製スープ「アホ・ブランコ」を独自にアレンジした一品。通常、アホ・ブランコはアーモンドとニンニクを主材料としますが、アコルドゥでは奈良県在来種の大豆「大鉄砲」から作られた豆乳を使用しています。

このスープには、半生の海老やフレッシュなメロン、レーズンが添えられ、豊かな風味と食感のハーモニーを楽しめます。また、バジルや緑のグラニテを組み合わせることで、爽やかさと彩りが加わり、見た目にも美しい一皿となっています。

店名の頭文字「a」があしらわれた全粒粉を使用したパン

燻したアマゴと川の香りのソパ

奈良の清流に生息するアマゴを用いた一品。産卵期のアマゴとその卵をスモークし、川の清流をイメージした緑色のソース(ソパ)と組み合わせています。
このソースには、食感のアクセントとしてキュウリとホウレンソウのクスクスが加えられています。全体として、川の清涼感や自然の風味を感じられる繊細な料理となっています。


このペアリングで提供されているのは、「篠峯(しのみね)」純米酒。
奈良県御所市の千代酒造が醸造する日本酒で、米の旨味をしっかりと感じる食中酒として人気だそうです。

アスパラと湿った土

奈良県産のアスパラガスを軽く炙り、海藻のような香りを引き出した一品です。北海道産の牡蠣をタルタル状に仕上げ、湿った大地をイメージしたトランペット茸のペーストと組み合わせています。さらに、多彩なハーブが上にあしらわれ、まるで森の中の湿った土壌を感じさせる独創的な味わいを楽しめます。

このペアリングで提供されているのは、「Kruger Family Wines Old Vines Sauvignon Blanc」 です。
ソーヴィニヨン・ブランの持つミネラル感とフレッシュな香りが、料理の持つ海・大地の要素を美しく結びつける組み合わせとなっています。

炙った青背 シェーブルとオリーブ

愛媛県産のシマアジを使用した一品です。シマアジは軽く炙られ、奈良の伝統的な発酵調味料「古代ひしお」でマリネしたパプリカと組み合わせられています。さらに、オリーブから作られた透明なチップスが添えられ、食感と塩味のアクセントを加えています。ソースとして、山羊のミルクから作られたシェーブルチーズのジェラートが使用され、冷たい温度とクリーミーな風味が全体の調和を図っています。

この料理は、シマアジの豊かな旨味と「古代ひしお」でマリネしたパプリカの深い風味、オリーブチップスの独特な食感、そしてシェーブルチーズのジェラートの滑らかさが一体となり、複雑でありながらバランスの取れた味わいを楽しめます。

「Finca Viñoa」 Treixadura(フィンカ・ヴィニョア トレイシャドゥーラ)
リベイロ地方の白ワインの特徴であるフレッシュさとコクが、炙った青背魚と発酵調味料の複雑な味わいを引き立てるペアリングになっています。

倭鴨のテリーナ 柿酢と季節の景色

奈良県葛城山麓で育った合鴨「倭鴨」を使用した一品です。倭鴨の旨味を凝縮したテリーヌに、赤ワインと柿酢を合わせたソースが添えられています。さらに、ピュレ状にした梨やボイルした落花生、ルッコラ、そして金木犀の香りを纏った泡状のソースが彩りを添え、季節感あふれる味わいを演出しています。

「MontGras Antu Pinot Noir 2020」

大和橘麺と生イカ

日本最古の柑橘である大和橘の果汁を練り込んだ弾力のある幅広い素麺を使用した一品です。この素麺は、ほのかな柑橘の香りと爽やかな酸味が特徴で、料理に独特の風味を加えています。
ソースには、イタリアのジェノベーゼソースに着想を得て、バジルの代わりに赤紫蘇と青紫蘇を用いたイカ墨色のソースが使用されています。
トッピングとして、ねっとりとした食感の生のイカと、さっとボイルした新鮮なじゃがいもが添えられています。
の料理は、奈良の伝統的な食材とイタリア料理の技法を融合させた、アコルドゥならではの創造的な一品です。

このペアリングで提供されているのは、「LaFou Els Amelers 2022」 です。

ペスカードアサード 海の香りのアロスとクレソン

京都で水揚げされたスズキを主役とした一品です。スズキは丁寧に焼き上げられ、その下には奈良県産のヒノヒカリ米をスペイン風に煮込んだ「アロス」が敷かれています。このアロスは、ウニを使ったソースと刻んだズッキーニが加えられ、海の香りと豊かな風味が特徴です。さらに、サイドにはクレソンとハーブを使った緑のソースが添えられ、全体の味わいに爽やかさと深みを加えています。

この料理は、スズキの上品な旨味と、ウニの濃厚な風味をまとったアロス、そしてクレソンとハーブのフレッシュなソースが見事に調和し、海と大地の恵みを感じさせる一皿となっています。

このペアリングで提供されているのは、「SummerWood Marsanne 2021」

大和牛と吉野柿のラビゴット

奈良県産の大和牛を主役に、吉野地方の柿を用いたラビゴットソースで仕上げた一品です。ラビゴットソースは通常、酸味のあるヴィネガーベースのソースですが、ここでは吉野柿の甘みを加えることで、独特の甘酸っぱさを演出しています。

付け合わせとして、奈良県産の茄子をペースト状にしたものが添えられています。この茄子のペーストは、クリーミーな食感と自然な甘みが特徴で、大和牛との相性が抜群です。また、オレンジ色の卵黄のソースが彩りを添え、全体の味わいに深みとコクを加えています。

「Parada de Atauta 2020」

デザート & フィナーレ

ケソとカリンと木の実

アコルドゥのデザート「ケソとカリンと木の実」は、スペイン語で「チーズ(ケソ)」と「カリン(マルメロ)」を意味し、これらを組み合わせた伝統的なスペインのデザート「ケソ・イ・メンブリージョ」を再解釈した一品です。このデザートでは、チーズとカリンに加えて、さまざまな木の実が使用され、食感や風味の多彩さを楽しめます。

このペアリングで提供されているのは、「SummerWood Grenache 2019」 です。

闇夜の月と秋の恵み

秋の風物詩である満月をテーマにした一品です。このデザートでは、稲藁の香りを煮出したインフュージョンを使用し、独特の香ばしさと風味を加えています。さらに、食感と香りのアクセントとして、揚げたお米がトッピングされています。これにより、稲藁の香りと揚げたお米のカリッとした食感が調和し、秋の収穫期を感じさせる味わい深いデザートとなっています。

夏は終わり 秋を迎える

奈良県大和郡山特産の無花果(いちじく)を主役に、スペインの甘いリキュール「カチャリャ」を使用したジェラートとグラニテを組み合わせた一品です。さらに、シナモンとトンカ豆、シナピスの香りを纏ったクリームが添えられています。

このデザートは、夏の終わりから秋の訪れを感じさせる味わいと香りのハーモニーを楽しめます。無花果の豊かな甘みとカチャリャの優しい風味がジェラートとグラニテで表現され、シナモンやトンカ豆、シナピスの香りがクリームに加わることで、深みのある味わいとなっています。

小菓子

スペインの伝統菓子「ポルボロン」

まとめと感想

アコルドゥは、「奈良の風土×スペインのエスプリ」を体現する唯一無二のレストランだった。奈良の伝統野菜や発酵食品(古代ひしお、倭鴨、大和橘など)を取り入れながら、スペイン料理の技法と融合させることで、ここでしか味わえない料理が生まれている。

食材の背景を感じながら、記憶に残る体験を提供するそのスタイルは、まさに「記憶を調理する」レストラン。

五感を刺激するクリエイティブなプレゼンテーションによって、唯一無二の食の旅となりました。

予約とアクセス情報

予約方法:

電話予約・一休・食べログ

アクセス情報:

住所: 奈良県奈良市水門町70-1-3-1

電車でのアクセス:

近鉄奈良線 奈良駅: 東改札①番出口より徒歩10分
JR奈良線 奈良駅: 東口より徒歩20分

お車でのアクセス:

第二阪奈道路 宝来口から: 阪奈道路を東に直進し、県庁東交差点を左折、登大路交差点を右折してすぐ
西名阪自動車道 天理インターから: 国道169号線を北へ直進し、登大路交差点を右折してすぐ

バスでのアクセス:

JR奈良線「奈良交通市内循環・外回り」: 県庁東バス停下車、徒歩3分
飛行機でのアクセス:
大阪空港(伊丹)または関西国際空港から: リムジンバスで近鉄奈良駅下車(約60分)、徒歩10分

駐車場: 店舗奥に4台分の駐車スペースがあります。満車の場合は近隣のコインパーキングをご利用ください。

宿泊情報:

レストランの2階に若草山を望む小さなゲストルームが一室ございます。ディナーと朝食が含まれるプランで、料金はお二人様1泊58,000円(税・サービス料別)です。チェックインは15:30、チェックアウトは10:30となっております。

ウェディング情報:

奈良公園のふもと、東大寺旧境内跡の特別な邸宅を一棟貸切で利用したウェディングが可能です。詳細は公式ウェブサイトのウェディングページをご覧ください。

訪問の際は、事前に予約状況や最新の営業情報を公式ウェブサイトでご確認いただくことをおすすめします。

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2024.10.16
Destination: NARA Vol.1
MIZUMACHI
「知られざる美食の旅へ—心と五感で味わう特別なひとときを」

BISHOKU QUESTは、全国の厳選された美食スポットを巡るグルメ探求プロジェクトです。
地元の食材を活かした料理、シェフのこだわりが詰まった隠れ家的なレストラン、食を通じて地域の文化や歴史を体験できる場所を厳選してご紹介。
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